詩
リービ英雄『英語でよむ万葉集』 リービ氏の万葉集関連の著書では最も親しみやすい書。〈約50首の対訳それぞれに作家独自のエッセイを付す,「世界文学としての万葉集」〉を語った本。リービ氏の言わんとするところを最もよく伝えるのは、おそらく、この書で…
『Man’yo Luster―万葉集』 リービ英雄 Levy Hideo- Man'yo Luster 美しい本である。万葉集の抜粋とその英訳(リービ英雄)、イメジ写真(井上博道)から構成された大型本だ。全380頁。歌の読み下し文および口訳は中西進『万葉集 全訳注 原文付』に拠る。この本を…
Bob Dylan, 100 Songs (Simon & Schuster, 2017) 意外なことにボブ・ディランの手頃な詩集がなかった。2016年のノーベル文学賞受賞以来、世界中の大学で少しづつディランが教えられ始めているけれども、適当なサイズの詩集がなかった。このほど出た、この百…
野上秀雄『歴史の中のエズラ・パウンド』 考えてみれば、エズラ・パウンド(米国詩人)は片山広子(日本の歌人、翻訳家)や芥川龍之介と同時代人である。パウンドが1885年生まれ、片山が1878年生まれ、芥川が1892年生まれである。 それがどうしたと言われそ…
大阪の詩誌「びーぐる」第7号(澪標、2010年4月) いちおう、まじめな意図をもって企画されたと思われる特集「面白クテ為ニナル 詩の書き方・実践篇」。 しかし、実際にはそれが困難なことは詩人自身が一番よく知っているだろう。それでも、誠実にその問いに…
英詩の基礎知識のような本は以前は結構見かけたものだ。 けれど、最近は、とんと見かけない。需要がなくなったのか、読む人がいなくなったのか。 でも、世界的には英詩の読者は減っている気配はない。ジャック・アタリの本を開いても、エマニュエル・トッド…
〔蔵出し記事 20050928〕 2005年の夏、ゴールウェーで少し劇を見た。一つはドルイド・シングの渾名で呼ばれるドルイド一座によるシングの上演。世評は高かったが、私は必ずしも感心しなかった。特に、デアドラこと「悲しみのデルドラ」 Deirdre of the Sorro…
'The West's Awake' by Thomas Davis Lumiere のアルバム Special Edition (2010) のトラック4に入っていた歌 'The West's Awake' は Thomas Davis (1814-1845) の書いた愛国詩に曲('The Brink of the White Rocks' といわれる)をつけたものだ。 [Thomas D…
アイルランドの詩人 Seosamh MacCathmhaoil (Joseph Campbell) に関する記事が2016年1月に2本でた。めずらしい。 www.theguardian.com Lady Godiva and Me: The Footnote Poets 2a/4 Joseph Campbell and Literary History. 1つ目は英ガーディアン紙の「今週…
典礼委員会詩編小委員会『詩編―ともに祈りともに歌う』(あかし書房、1972) 詩編とは歌集である。本書あとがきに〈詩編は、紀元前三~一世紀ころ、イスラエルの民の共同の祈り、集会の歌として集められたものである〉とある。 本書はカトリック教会で共同の…
時のかなた昇天すもの日のはじめ 飯田蛇笏風花を神の声かと仰ぎたる 遠藤若狭男方舟に在るかの目覚め雪降れり 宮脇白夜 いずれも『福音歳時記』(ふらんす社、1993)より。 飯田蛇笏の句以外は雪の降ることにはっとした驚きが感じ取れる。降る雪をじっと(仰…
教皇ヨハネ・パウロ二世の詩集から。感嘆 森の木々が波となって流れくだるとき流れは感嘆することはない。しかし人は驚く。世界が通るこの入り口は驚きの入り口。(驚きはアダムと名づけられた)。 ものがみな感嘆しないなかでアダムはひとり感嘆する。もの…
〔蔵出し記事 20040729〕 声楽家の藍川由美さんの発言を以下、引用する(産経新聞2004年7月29日付朝刊)。
カロル・ヴォイティワ(ローマ教皇ヨハネ・パウロ二世)の詩集が入手困難と分かったけれども、ハンマーの詩がぜひ読みたい。 と思って探していたところ、The Place Within — The Poetry of Pope John Paul II, with translations and notes by Jerzy Peterki…
ローマ教皇ヨハネ・パウロ二世(カロル・ヨゼフ・ヴォイティワ)は聖職者であったが、同時に哲学者でもあり、詩人でもあった。さらには、音楽家でもあった。確か、ギターでの弾語りを聴いたことがあるが、存在感のある歌だった。声がすばらしい。 若い頃、ク…
詩歌の言語が、その詩歌に基づく楽曲の演奏表現にどのように影響を与えるかということ、これを説明するうまい例はないかと考えている。(別の記事「三月に」参照) 突拍子もないようだが、日本語の「さくら」を想いつく。この語を用いて詠う(歌う)場合、皆…
〔蔵出し記事 20031212〕 「世界俳句」という語がある。俳人の夏石番矢さんがその主唱者のひとり。
エミリ・ディキンソン、谷岡清男訳『愛と孤独と (エミリ・ディキンソン詩集 (1))』(ニューカレントインターナショナル、1987) 読みやすい訳が悪いわけではない。ただ、ときにきわめて難解なディキンスンのような詩をすらすらと読みやすく訳したものには警…
Paul Giles, Hart Crane: The Contexts of 'The Bridge' (1986; Cambridge UP, 2009) モダニズムの長詩はたいてい難解だが、その中でも恐らく最も難解なのがクレイン(1899-1932)の『橋』 'The Bridge' (1930)だろう。
谷川 俊太郎『二十億光年の孤独』(集英社文庫、2008) Two Billion Light-Years of Solitude これはものすごい磁力をもった詩集だ。 「梅雨」における母音韻(assonance)のものすごさ。かと思えばアソナンスを切りアリタレーション(頭韻)かなにかがぶつけ…
Caitlín Maude, Caitlín (Gael Linn, 1976; rpt. 2003) いとしのカチリーン。アイルランド語詩歌のひとつの極北。夭折した天才詩人の1976年作が2003年に奇跡の復刻。 奇跡という以外に何といえようか。カチリーン・モード(1941-1982)の声を一度でも耳にし…
エドガー・アラン・ポー『ポー詩集―対訳』(岩波文庫、1997) 岩波の対訳詩集の中でも異色。通常は研究者としての解説などが附くが、本書の解説は詩人として感じたことを書く。翻訳や註釈より、この詩人がポーをどう読んだか知りたい場合に好適。 ただし、大…
エミリー・ディキンソン『対訳 ディキンソン詩集―アメリカ詩人選〈3〉』(岩波文庫、1998) 岩波の対訳詩集としては標準的な訳と註です。
「ユリイカ」 2013年4月号(青土社)特集=荻原規子 『空色勾玉』『西の善き魔女』、そして『RDG レッドデータガール』・・・夢見る力の無窮 詩の雑誌だけど、散文を特集するにはそれだけのわけがあるのだろう。 急いでいっておくと、第18回中原中也賞をとっ…
Malorie Blackman, Cloud Busting (Corgi, 2005) すべて詩で書かれた点で特異な1人称児童小説(2004)。ふたりの男の子、デーヴィとサムとの関係をあつかう。英国の児童書に贈られるネスレ児童書賞の銀賞を受賞している(2004年、6-8歳部門)。また、英国の…
沓掛良彦『トルバドゥール恋愛詩選』(平凡社、1996) 12世紀南仏のトゥルバドゥールの詩選(1996)。
はじめに、どうやって入手したかのいきさつ。
詩をかんがえるとき、ことばの音楽を考えないわけにいかない。 韻律論ということばがある。 「プロソディー」。
シェイマス・ヒーニー『郊外線と環状線』(国文社、2010) アイルランドの詩人シェーマス・ヒーニは2006年の本詩集に「春のトールンの男」という詩を含めた。1972年に「トールンの男」を書いたことが想い起こされる。デンマークで発掘された鉄器時代人のミイ…
シェイマス・ヒーニー『シェイマス・ヒーニー全詩集 1966~1991』(国文社、1995) いつか僕はオーフスへ行って ピートで茶色くなったその男の顔と 柔らかい豆の鞘のようなまぶたと 皮膚のように見える先の尖った皮の帽子を見てみたい 『冬を生きぬく』(1972)…