Tryptyk Rzymski - Jan Pawel II 感嘆(JP II の詩)
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森の木々が
波となって流れくだるとき
流れは感嘆することはない。
しかし人は驚く。
世界が通るこの入り口は驚きの入り口。
(驚きはアダムと名づけられた)。
ものがみな感嘆しないなかで
アダムはひとり感嘆する。
ものは感嘆することができない。
なぜならものは自分の道を歩き進むことでいっぱい。
人はものと一緒に進んでも、ひとり感嘆している。
感嘆することで流れから立ち上がって言う。
「立ち止まれ。わたしの中に港がある」
「立ち止まれ。わたしの中に永遠のみことばと出会う場がある」
「立ち止まれ。この渡し場に意味がある。意味がある。意味がある」
「黙想 ローマ三部作」(2003)の 「I 小川」の「霊」の「一 感嘆」から。『教皇ヨハネ・パウロ2世の詩 黙想/ローマ三部作』(木鎌安雄訳、聖母文庫、2004)所収。人でありながら、ものになっていないかと反省もさせられる詩。驚きの入り口を通して流れの源を探し求めさせる詩。
この詩集を手に入れて、その詩想のみずみずしさ、透徹した知性に打たれたけれども、解説をヨーゼフ・ラッツィンガー(教皇ベネディクト16世)が書いているのに驚いた。