季語とキーワード haiku, keyword
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〔蔵出し記事 20031212〕
「世界俳句」という語がある。俳人の夏石番矢さんがその主唱者のひとり。
夏石番矢さんの文章(2000年6月)
季語は、世界的視野の中では必ずしも必要とされない。そこで、短く音楽性のある、端的で膨らむ力を持つ短詩作品が、重要となる。俳句がとらえる認識と思想の深さと厚みが勝負となる。
そこで、季語に代わり登場するのが、キーワード。かくして、旧来の「有季定型」(季語をともなう、五七五の定型詩型)ではなく、いわば「キーワード短詩」が登場することとなる。
未来より滝を吹き割る風来たる (夏石番矢、未来)
木にのぼりあざやかあざやかアフリカなど (阿部完市、木)
実例である。俳人名のあとはキーワード。ここから生じる音楽性とはいかなるものか。詩における音楽性とはリズムが第一であるから、まずは音節数がベースになる。しかし、各国語となると、それぞれに事情が違う。
以上、沼野充義さんの書評〔毎日新聞、2003年12月7日〕に触発されて。