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アイルランド語訳聖書について An Biobla Naofa


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 古い英語や英語史を勉強するには聖書がよいと、かつて言われた。今も言われているかもしれない。各ヴァーションの比較が容易だし、各国語訳も豊富にあり、内容もよく知られているから歴史言語学的なアプローチには向いている。

 現代アイルランド語の場合も同様のことが言われている。必ずしも古いアイルランド語との比較研究が目的でなくても、単に言語習得のためだけでも、対照材料が多いので、聖書は勉強には好適である。例えば、最もポピュラーなアイルランド語入門書の Teach Yourself Irish の2003年版(Hodder & Stoughton Educational, 2003)にもそう書いてある。

 ところが、現代アイルランド語版の聖書というのは、思ったより入手しにくい。冊子体の An Bíobla Naofa (An Sagart, 1981/2000) があるにはあるが、小型で(11x16cm位)、字が小さいので、やや読みづらい。

 これしか版がないので、他に読む方法はないかとお探しの向きには、いいものがある。電子版の聖書である(CD-ROM)。PDF ファイルなので、好きな大きさにして読むことができ、目に楽なこと、この上ない。アイルランドはケリー県の Fios Feasa が製作し、販売している(価格は20ユーロ)。発売されたのが Windows 95 の時代だから古いが、今でもりっぱに動作する(WindowsMacintosh)。インストールに当っては、CD-ROM 上の Adobe はインストールせず、最新ヴァーションの Adobe を使うほうがよい。ソフトの使い方は実に簡単で、clar.pdf というファイルを開けば、そこからどの文書にも飛べる。

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 アイルランドの伝統的な社会文化を規定するリズムはキリスト教会の典礼暦であり、毎週教会で聞かされる聖書朗読が人々の糧になっている。これから、折に触れてアイルランド語訳の聖句を取上げてゆくつもりです。

 〔上記のCD-ROMに収められたPDFファイルはインターネット上で公開されている。〕

 

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