アイルランド語訳聖書から(An Bíobla Naofa)。
Soiscéal Naofa Íosa Críost de réir Eoin 14.5-7
5 Dúirt Tomás leis: “A Thiarna, ní eol dúinn cá bhfuil tú ag dul agus cén chaoi is féidir
dúinn eolas na slí a bheith againn?”
6 Dúirt Íosa leis:
“Is mise an tslí, an fhírinne agus an bheatha.
Ní thagann aon duine go dtí an tAthair ach tríomsa.
7 Dá mbeadh aithne agaibh ormsa,
d’aithneodh sibh m’Athair chomh maith.
Tá aithne agaibh air feasta,
agus tá radharc faighte agaibh air.”
日本語訳聖書から(新共同訳)。
聖ヨハネ 14.5-7
5 トマスが言った。「主よ、どこへ行かれるのか、わたしたちには分かりません。どうして、その道を知ることができるでしょうか。」
6 イエスは言われた。「わたしは道であり、真理であり、命である。わたしを通らなければ、だれも父のもとに行くことができない。
7 あなたがたがわたしを知っているなら、わたしの父をも知ることになる。今から、あなたがたは父を知る。いや、既に父を見ている。」
最後の晩餐の席で、イエズスの行くところに弟子たちは今は行けない(ヨハネ 13.36)と知って、弟子たちは動揺する。十二弟子の一人トマスが尋ねると、イエズスは「わたしは道(slí)であり、真理(fírinne)であり、命(beatha)である。」と答える。(他ならぬ)「わたしを通」れば(tríomsa)、「父(an tAthair)のもとに行くことができ」ると。
「ウィスキー」の話
一口メモ。英語のウィスキー(whiskey)はアイルランド語では uisce beatha (「命の水」)といい、引用箇所に出てくる命(beatha)と同じ語を用います。このアイルランド語は「イシュケ・バハ」と発音しますが、ウィスキーに何となく似ていますね。実は似ているどころではなく、元々この英語はアイルランド語から来ているのです。whiskey は whiskybae, whisquy-beath, usquebaugh を約めた形で、こうした元の綴りを見ればアイルランド語との関連がはっきり見てとれます。アイルランド語はラテン語の aqua vitae (強い酒、文字通りには「命の水」)から来ています。
なお、最後の晩餐でパンと杯が出てきますが、この杯はぶどう酒のことと考えられます。けれども、最後の晩餐に触れた三つの福音書(聖マタイ、聖マルコ、聖ルカ)のいずれにも最後の晩餐の箇所では「ぶどう酒」の語は出てきません。カナの婚礼では、イエズスはぶどう酒(fíon)の奇蹟を行います(ヨハネ 2.3)。