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発表の準備に時間をかける


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諏訪邦夫『発表の技法

 

 1995年刊にもかかわらず今も現行書であることに本書の価値がすけて見える。

 もちろん、PC を利用したプレゼンテーションの方法などは、最新のソフトウェアについての概説書がいくらでもある。だけど、問題はそれ以前のところにある。発表の準備の仕方や計画の立て方、発表に当たっての心得などを理路整然と丁寧に分かりやすく、あくまで実用的な観点から説いた書である。

 著者は麻酔学が専門だから、どちらかといえば理系向きに見えるかもしれないが、発表に関する普遍的な事柄を取上げているので、文系、その他、およそ発表と名のつくものになら、何かしらの参考になるだろう。ただし、レベルとしては国際学会の発表にまで対応している。

 先天的に発表のうまい人などいない。すべては訓練次第だというのが本書の大きな主張の一つである。訓練というと難しそうだが、要は、きたえる意識をもった練習である。トレーニングである。どこに重点を置いて練習すればよいのか、その勘所がわかるので、発表を間近に控えた人などにも向いている。

 本書の主旨とはそれるかもしれないが、本の書き方などにもじゅうぶん応用ができると思う。

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