東京DMAT(災害派遣医療チーム)の八雲医師の活躍を中心にえがくシリーズの第5巻。クラッシュ症候群への理解の必要性を痛感させられるエピソードが取上げられている。
東京都内に大規模地震が発生し、東京DMATは現場に急行する。瓦礫に身体をはさまれて身動きのできない人を見つけると、余震の危険があるから、できるだけ早く救出したくなるが、クラッシュ症候群を疑わねばならない場合がある。もし、そうであった場合は、圧迫を解放すると、腎不全や心停止を引き起こしてしまうことがある。
クラッシュ症候群に対しては、もちろん、現場で医師が判断するのが最善だが、大規模地震の場合は救急車が迅速に現場に到着するのは困難だし、要救助者の数に対し医療スタッフは圧倒的に不足する。
そこで、一般のひとも、クラッシュ症候群について、基本的な理解をしておいたほうがいい。この漫画でも指摘がされているが、2時間以上はさまれており、痺れがある場合は、クラッシュ症候群を疑う。
医師がいれば輸液などが受けられるだろうが、一般人にできることとしては、水分を飲ませることがある。スポーツドリンクがよいが、なければ水やお茶を。
阪神淡路大震災のときは、医師にもクラッシュ症候群の知識があまりなく、被害が大きかった。DMATが誕生した背景には、そうした反省もある。
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