荒川弘『銀の匙 Silver Spoon 6』(小学館、2013)
(承前) 農業高校一年の八軒勇吾は馬術部の副部長に就任。障害をただ一人跳べなかったが、級友の御影アキのおかげで、馬のマロンとともに高く跳ぶ。しかし、秋季大会をひかえ、八軒は山のような仕事を抱えている。
いよいよ秋季大会に出場した八軒。緊張しながらも初心者用の競技にて四位の成績を修める。
一方、御影の積年のライバル、南九条あやめ(別の高校)も「ほほほほほ」の掛け声とともにさっそうと同大会に出場し、謎のキャラクタをふりまく。その馬のしっぽには赤い飾りがあり、それは後ろに立つと蹴られることを意味し、物騒きわまりない。
御影のほうは小障害飛越の競技で活躍する。
次はエゾノー祭(大蝦夷農業高校祭)。という具合に学園の行事は進んでいくのだが、一方で、八軒と御影のロマンスについに火がつくのかという注目の展開も見える。二人で遊びに行こうという八軒の誘いに「おごり? いいの? やた――! 行く!」と応える御影は友達意識しかない。このゆくえはいかに。
ところが、八軒は実は仕事を抱えすぎで、犬の散歩の最中に倒れてしまうほど疲れていた。祭りの当日の朝だった。不死身に見えた八軒も生身の人間。誰よりも頑張った八軒。このあとの展開が気になる。