キンドル(Kindle)の目次にハイライトと注釈を加える
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キンドル(Kindle)電子書籍リーダーの本文にハイライトや注釈を加える人は多いだろう。だけど目次には?
あまりいないかもしれない。結論からいうと、目次にハイライトと注釈を加えることが可能だ。
なんでそんなことを? そんな疑問が出てきそうだ。説明する。
目次の有効活用
本文にいくらハイライトや注釈をしても、それは本文のレベルにとどまる。もちろん、ハイライトや注釈の一覧を見ることができるし、キンドル・ホームページに行けば自分のハイライトを一覧で見られる。そのハイライトを Evernote に取込むこともできる。
だけど、本の全体を見通したいとき、本の構造のレベルで重要なことをとらえたいとき、それでは合わない。構造化されていないからだ。ずらずらーっと、ハイライトや注釈が羅列されるだけだから。
ところが、目次は違う。初めから構造化されている。全体の見取り図がわかる。その目次のところに、大事な部分のマーキングや注釈を加えれば、目次だけで重要部分の見取り図ができる。
目次にハイライトや注釈を加える
実際の方法は簡単。本文にやるのと同じ操作をすればよい。
ただし、注意点がある。目次の項目はたいがい本文へのリンクになっているから、タッチしただけだと本文へ飛んでしまう。
そこで、飛ばないように、ハイライトする要領で指をすべらす。そうして範囲を指定したら、ハイライトするなり、注釈を書込むなりすればよい。
あとから目次を見たときに注釈のある箇所はマークが出るので、そこをタッチすると注釈が読める。
目次の言葉は必ずしも、自分が読取る重要なポイントを表しているとは限らないので、自分の言葉で書込んでおくと、あとから見たときに記憶のよみがえりが速い。
Kindle リーダー(電子書籍端末)でもちろん簡単にできるのだけど、ここでは iOS 上の Kindle アプリの画面を示す(下)。松下幸之助『道をひらく』の目次の画面だ。左端から二つ目に「長所と短所」という項目がある。そこがハイライトされており、そのすぐ右に小さな注釈マークがある。
その注釈マークをタッチすると、注釈内容が表示される(下)。 「長所と短所」を読んでいるときに、たまたま『菜根譚』の「和気」のことを思い出したので、自分用の注として書き加えたのだ(おたがいにの長所と欠点をよく理解しておくよう心くばりをすることが大事と書いてあり、それは天地の和気である、なごやかな気分をもたらすことにも通じる)。複数の本を同時に読み進めることはよくあり、一つの本で別の本のことを思い出すことはよくある。
目次への書込みのヒント
実は目次はそもそも構造化されたものなのに、そこにさらに自分のハイライトや注釈を加えるという発想は、松岡正剛の本の読み方にヒントを得たものだ。松岡氏は本を読むときに、まず目次を熟読する。そうして、本文を読む前に目次の構造を自分の頭で考え、項目間に線を引いたり、言葉を書込んだりして、あらかじめ何が言いたいのかをつかんでしまう。そうしてから本文を読み出す。
目次読書術を含む、〈読書は編集である〉と説く『多読術』という本もある。(もう少し高度な、目次のメタ化による「目次録」の話もある。)
この松岡氏の方法をヒントにした。つまり、目次そのものを本のアウトラインのベースとして活用するということだ。本の構造の上に、自分が重要と思ったことを書き加えるという方法なので、頭に入りやすい。
やってみると簡単なので、ご関心の向きはぜひお試しいただきたい。
なお、kobo リーダーでも、目次にハイライトや注釈が加えられる。が、注釈は目次の画面では見えず、注釈一覧で見ることになる。