起源に関する Quinn 説(4)
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アイルランドのシャン・ノース歌唱の起源に関するボブ・クィンの説は証拠として貨幣を用いて、ヴァイキングがムスリム銀貨の差配人になっていたとする。その例はアイルランドやイングランドでも見つかるが、主たる例はバルト海の島ゴトランドにあるという。
アラブの 'dirhem' (dirham ディルハム)*1銀貨の影響は8-10世紀のヨーロッパおよび現代の米ドルにも見られるという。
クィンの結論。シャン・ノース歌唱はこの時期(アイルランド黄金期 600-1100)の文化的産物の証拠としてケルズの書に等しい意義を有する。それゆえ、同等の敬意をもって扱わねばならない。
クィン説は昨年はじめアイルランドの雑誌でホットな議論となりましたが、論証の妥当性は私には現段階では評価できないものの、その結論には深く同意します。(つづく)