song
Derek Bell, Liam O'Conchubhair, Traditional Songs of the North of Ireland (Wolfhound P, 1999) アイルランドは伝統歌の宝庫として特異な位置を占める。スウェーデンの民族音楽学者 Melberg の推計によれば、アイルランドには 45,000 の伝統歌があるとい…
茂木健『バラッドの世界―ブリティッシュ・トラッドの系譜』(春秋社、1996) 〔本書は2005年に新装増補版が出ている。〕 本書の書出しに「ロックへのインスピレーション」とある。<ビートルズやローリング・ストーンズに代表されるブリティッシュ・ロックの…
過日、某番組から協力依頼があり、アイルランド民謡〈サリーガーデン〉についての照会に応えた。何を応えたかもはや忘却の彼方になりつつあるが、いま思い出せるところを覚書として記しておく。 この歌曲の起源や成立について、主としてイェーツとのかかわり…
Rionach uí Ógáin and Tom Sherlock, eds., The Otherworld: Music and Song from Irish Tradition (Comhairle Bhéaloideas Éireann, 2012) アイルランドの妖精や異界にからむ音楽や歌の録音・資料を集めよう。そんなプロジェクトがスタートしたのが1980年代…
ある親友が最近北欧の伝統歌の研究を始めた。彼はぼくと殆ど同じ趣味、即ちアイルランド語伝統歌が好きなのだが。彼が紹介したのはスウェーデンのヨイクの歌い手で、1982年生れの Sofia Jannok だった。聴いてみると従来知っていた無伴奏の即興的なヨイクと…
Jimmy McCarthy 作の名曲<No Frontiers>はすぐにメアリ・ブラックのふしが思い浮かぶ人も多いだろう。それはそれで。12月24日に放映された 'The Late Late Show' に作者であるジミー・マカーシーが出てきて、この歌の1番、2番はそれぞれ自分の母親、父親の…
12月25日はラフタリーの命日だった。175年前、彼はゴールウェー県で死去した。ラフタリーといえば、アイルランドでは小学生でも知ってる有名な詩人だ。盲目の詩人である。だれでも知ってる有名な詩は「われはラフタリー」*1 という詩なのだが、これが実はラ…
ラーサリーナが チベットの Yungchen Lhamo + Friends と ダブリンで7月1日に公演 を行う。出演者は Yungchen Lhamo Paul Brady Liam O Maonlaí Lasairfhíona なんとも興味深い面子だ。ラモは今年アイルランドで唯一の公演がこれ。
産経新聞3月28日付のもず唱平さん(作詞家)の文章にスリランカの歌 <マーバーラカーレ> のことが出てくる(ウェブ版にはない)。もずさんが「スリランカの北島三郎」と呼ぶエム・エス・フラナーンドの歌。歌詞は「マーバーラカーレ」(私の若い時に)が繰…
ジュリー・グローブの、マーク・ウィームズとの新ユニット Little Windows が近く CD を出すらしい。これは楽しみ。アイルランド音楽とアパラチア音楽との結合といわれている。http://www.juleeglaub.com/http://www.mtholyoke.edu/offices/comm/news/concer…
会議室(BBS)で触れた Living Tradition 65号に出ていた CD。これはほしいと思って KYLOE RECORDS に行くと買えると判るが、ポンド高で送料込みで2925円ほどになる。これはちと二の足を踏む。タムボリンにでも入れば買おう。
締切が2週間延びました。 Nashville (Tennessee), USA - The International Songwriting Competition has extended its submission deadline for two weeks. All entries must be posted on or before October 31, 2005. ISC will continue to take online e…
<Cianach Corrach> という歌を Aoife Ni Fhearraigh が歌っている(アルバム 《Loinneog Cheoil》)。一聴して驚いた。<Jimmy Mo Mhile Stor> と全く同じメロディーだから。前者は男が女を想う歌、後者は女が男を想う歌で、内容的には全く違う。というこ…
ピーター・バラカンさんの土曜朝のラジオ番組「ウィークエンド・サンシャイン」(NHK FM)は収穫が多いが、最近の大収穫を三つ。 Jimmy Smith: Back Talk Staples: Dock of the Bay Diana Krall: A Case of You ジミー・スミスのは残念ながら現在は入手不可…
書くほどのことではないかもしれないけれど、たぶん日本では知られていない賞をファーマナ県出身のロージー・ステュワートがとったので。 アイルランドの Gradam Ceoil TG4 2004 での Amhránaí na Bliana (2004年最優秀歌手)という賞。TG4 *1 の番組ではロ…
タイのフォークシンガー、エート・カラバオさん(50)が、今回の津波で妹さんをプーケット島で亡くし、その「悲しみを乗り越えなければと思い、津波が起こった26日に1時間で作曲した」という <アンダマンの涙をぬぐう> (アンダマンの涙を拭こう、アン…
アリスン・クラウス(Alison Krauss)の <A Living Prayer> を聞いて感涙禁じ難し。アリスンの魂の震えがこちらにまで伝わる。神よ、ほめたたえられたまえ。2004年のアルバム 《Lonely Runs Both Ways》 (Rounder 116610525-2)所収。 Go dtaga do ríocht…
かつて、Clancy Brothers が歌うアイルランド語版の <ジングル・ベル> (Bualadh bos)を収めた《The Clancy Brothers' Christmas》 というアルバムがあったそうで、その歌詞を知りませんかという スレッド が Mudcat にあります。季節柄、最近、またその…
マルコム・ダグラスさんが作成した英語伝統歌リンク集は、この分野に関心ある人には見逃せない資料である。 Internet Resources: traditional song 英語の伝統歌に関する様々なインターネット上の資源を整理分類してあるリンク集。分類は、歌集としてはオン…
こちら にスコットランドの歌の詩と旋律(MIDI)が集めてあります。非常に巨大なデータベースです。ときどき、註釈が附いています。 一言だけ。中に <Amazing Grace> があって驚く人があるかもしれません。Mudcat でもこの8ヶ月間議論が続いていますが、旋…
ボブ・ディランのファンなら狂喜しそうな本が二冊秋に出ます。まずは全詩集(写真、$45)。 Bob Dylan: Lyrics: 1962-2002 560 pages (Simon & Schuster, October 1, 2004) ISBN: 0743228278 つぎに三巻シリーズの回想録の第一巻($24)。大体、ディランがニ…
ううあとうたおう の再放送(2004年5月16日(日)午後4:15〜5:00[NHK教育テレビ])は要チェック。特に、大島保克さんとうたう<てぃんさぐぬ花>や無伴奏の<ひらいたひらいた>、それに手作り打楽器をつかいながら唄う<おやこバシャバシャ>などは必見。…
とあるべきが、The False Lane となっていたので、訂正してあげようとコメントを書こうとしたら、メールアドレス入力が必須。ウェブサイト上に公開することの危険性をご存じないのか。 なお、このブログ、内容はもちろんすばらしいので、念のため。 http://t…
リフレーンの4行目。 Is bí liom arís. イス・ビー・リョム・アリーシュ。 (もう一度私と一緒にいて。) bí :tá の命令法二人称単数 liom :私と一緒に arís :もう一度 はい、これでこの歌のリフレーンはおしまい。<追記> 今日、家でちょっといいことが…
リフレーンの2行目。 Mo ghrá geal is mo chroí, マ・グラー・ギャル・イス・マ・フリー、 (わたしの輝かしい恋人よ、わたしの愛する人よ) ghrá :恋人 geal :明るい is :そして → イズではありません chroí :こころ ← 軟音化しています 恋人を表す表現…
一応、純さんの 愛蘭事始 に並行するような形で、アイルランド語の歌の実践的解読にいどみます。目標は、4月に来日するドミニクのシャン・ノースのレパートリーの理解。では、まずリフレーンの1行目。 Ó, mo chailín donn, オー、マ・ハリーン・ドン、 (あ…
ブリアン・オ・ハラはダブリン生まれ。この人は Anam のメンバーだったのだけれど、いまは Fiona Mackenzie (ルイス島のあの三人姉妹のグループ Mackenzie のひとり)と結婚してスコットランドのスカイ島に住み、すっかり、スコットランド・ゲール語にひた…