Cumar (CIC CICD141, 2000)
10. An Tréigean le Ciarán Ó Concheanainn
11. Poirt / Jigs le Sarah-Jane Woods
1999 年の「クマル」コンサートの模様を収めたアルバム。〔'cumar' はアイルランド語としては「峡谷」の意だけれど、ここではアイルランド西部コナマーラ地方のアイルランド語芸術の講習週間をさす。〕
同アルバムのトラック 10 と 11 とはある意味で、アイルランド伝統音楽の未来を窺わせる指標といえる。
10 で高校生のような顔のキアラン・オコンヒャナンが歌うのは堂々たるシャン・ノースの歌。既に枯れたような味わいがある。なお、その後、彼の声は瑞瑞しさと活力と速度感とが加わり、耳にする人を捕えて離さない力を備えた。本アルバムは若きキアランの声を捉えた貴重な録音。
11 のセラ=ジェーンのフルートも若くして既に太い存在感を漂わせている。彼女が伝統音楽に対する非常にしっかりした考えを有していることは Beo でのインタヴュー(2004)からも窺われる。