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還流防止措置行使の際の実務上の留意事項 <コメント>


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 文化庁が12月6日に発表した「還流防止措置を行使するに当たっての実務上の留意事項等について(通知)」なる文書は読んでみるといろいろ面白い。
 輸入盤について還流防止措置を実際に行使する税関等で、実務的に留意すべきことがらがいろんな場合について書いてある。面白いと思ったのは次の点。

  1. 輸入盤のほうが国内盤より発行が先の場合は除外
  2. 曲順が異なる場合は同一盤とは看做さない

 このうち、1 については盤の発行日に関する膨大なデータベースが直ちに参照できなければならないが、それは日本レコード協会のウェブサイト等で一般にも公開されるようだ。
 この文書を何度読んでも分からないのは、海外盤と国内盤の同一要件が「音が同一」となっている部分だ。音が同一というのはどういうことか。その詳細な説明がない。オシロスコープで見て同一の波形ということか、あるいはディジタル・データが完全に一致するということか。
 ならば、さかんに発行されているリマスタリング物は一体どうなるのだ。多くの音楽ファンがジャズ等のいわゆる「名盤」を新たに買う場合、リマスターされたからというケースは相当に多いだろう。ファンの心理としては、従前のものと「音が違う」から買うのであって、「音が同一」と思えば買い直したりはしない。
 常識的に考えればリマスタリング物は同一の音ではないから対象外になると思える。しかし、たぶんそうはならない。なぜかというと、「音楽用CDとDVDオーディオなど、媒体が異なる場合」も「同一要件は満たされる」と書いてあるからだ。すると、当然、SACD の場合も同一と看做されるだろう。リマスタリングはそれよりも音の差が小さいから同一にされてしまうだろう。もし、そうなら、これはむちゃくちゃと言わざるをえない。酒税を回避するための新開発商品を同一税率で課税する動きにちょっと似ている。技術進歩があろうが何しようが、全部「同一の音」と看做すのは、一体なぜなのだろう。古い技術水準の商品に縛りつけるとは、とても技術立国の行政とは思えない。
 こう考えてくると、マイルズ・デーヴィスのリマスター版 《Kind of Blue》 は曲順が違うから対象外のはずで、そう分かってたら、あせって買う必要はなかった。だけど、ほんとにそうなるの? なーんか、心配だなあ。Music Watchdogs で時々チェックしよっと。

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