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Juliette Commagere sings UFO


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G さん、見てますか。もし、まだだったら、ライ・クーダーの今度のアルバム 《Chávez Ravine》 (Nonesuch) のトラック 9 <El U.F.O. Cayo> (The UFO Fallen の意)をぜひ聴いてみてください(Nonesuch のサイトでも試聴できます)。たぶん、一発で気に入ります。声の質が。私は一耳惚れしました。
El U F O Cayó - Ry Cooder - Juliette Commagere ...

これを歌ってるのが、Juliette Commagere。*1 米 LA のバンド Vagenius のヴォーカリストで、同バンドにはライの息子 Joachim Cooder が参加してるので、その線でジュリエットのことを知ったのかも。
  


 UFO のこととなると眼の色が変わる Mícheál

ジュリエットとホアキムのなれそめについて

Jupiter Index のインタヴューをもとに、12歳のときに知合ったという Juliette Commagere と Joachim Cooder との話を少し。

ジュリエットが8年生の時、学校のソロ・リサイタルで歌っているのを見たホアキムは自分のバンド "Endangered Species" (絶滅危惧種の意)に入らないかと誘う。後年の UFO つながりを想起させるようなバンド名ではあります。

で、バンド・オーディションの曲が "Purple Haze"。13歳の女の子に "Purple Haze" を歌わせたわけであります。バンドのもう一人のメンバー、 Jared Smith (guitar, bass, synth) とホアキムとは Cal Arts の学友で一緒にドロップアウト

彼らが結成したバンド Vagenius の命名の由来。本当に genius だと感じたときにジュリエットが冗談で "vagenius" と言っていたのだという。他に適当な名前が見つからないのでこれを採用したのだが、特に女性からは "V - A - G" の並びに恐怖を覚えられているらしい。

デビュー EP "Vagenius" 中の曲 <Plain and Simple> について。「花嫁通信販売」の実態にショックを受け、女性の写真の下にあったキャプション "I'm just plain and very simple, preferring American man. If you dream about a life of comfort, try me, I'm your woman." からコーラスの歌詞をそのまま採ったという。同 EP からのこの曲および <Which Side Is Mine> は彼らの ウェブサイト で聴くことができる(128 kbps の MP3 がダウンロード可能)。正直言って Jared のシンセサイザーはうまいとは思えないが、歴史的記録ではある。ジュリエットは13歳まで、ショパンの中に後に Chet BakerJoni Mitchell の中に見出すようなものを聞取っていたというから、このシンセにはひょっとして本音では閉口しているかもしれない。ただし、新しい EP ではずいぶんよくなっている。その新しい EP でのジュリエットのヴォーカルの感じは <El U.F.O. Cayo> にちょっと近い。

ジュリエットが受けた旋律面の感覚的影響は最初はクラシックから、のちにはジャズから来たという。ジュリエットが現在好きな音楽は、"Kenna, [. . .] Finley Quaye, Bjork, Sigur Ros, and the Faint, Enon and Blonde Redhead, [. . .] Ranchera and Norteno music" というが、このへんは書写しているだけで私には二三を除き殆ど分からない。

ジュリエットは半分メヒコ(メキシコ)の血が混じっているらしい。<El U.F.O. Cayo> でのスペイン語は自然。理想は Billy Strayhorn の曲を歌うアルバムを作ることだという。

*1:ピーター・バラカンさんは6月11日のウィークエンド・サンシャインでヴォーカルは Don Tosti と言ったけど、彼はナレーションを担当