Tigh Mhíchíl

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ダンスは喧嘩なるらし


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Dancing is like fighting.

 若かりし頃のことをこう振返るダラ・オ・コニーラ*1 の言葉は最初なんのことか分からなかった。
 この言葉はアイルランドにおけるソロ・ダンスの伝統を物語るものとしてヘレン・ブレナンが引用しているものである。ヘレンさんはシャン・ノース・ダンス研究の権威だが、つまり、この言葉は、同ダンスに密かに籠められた競争心や矜持を物の見事に捉えているというわけなのだ。
 一見するとバタリングの嵐にも見えるこのダンスは、ヘレンさんによると、我こそはヴィルトゥオーゾなりとの意識で踊られ、見る者を驚嘆せしめることを、傍観者の尊敬を勝ちえることをその目的とするものの由。
 そんなシャン・ノース・ダンスの当代の若手名人ショーサヴ(ジョー)・オ・ニャハタン(ニャクタン)が日本にやってくるという信じがたい告知を クラン・コラ・ブログ (12月2日付)に見つけた。ポール・オショネシー&ハリー・ブラドリー来日公演に同行するとのことである。

 蛇足。私がなぜヘレンさんの本を読んでいるかというと、シャン・ノース・ダンスはコナマラのダンスであり、コナマラの歌唱伝統とはつながりがあるからである。

*1:作家。アラン島の歌姫 ラーサリーナ・ニ・ホニーラ の父