SACD とフォーク <コメント> <追記>
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アイルランド語の無伴奏歌の再生をめぐってあれこれ考えていると、どうも現行の CD や (Hi-)MD などの周波数域に限界を感じてくる。本当は声はもっと上まで伸びているのではないか。ライヴを体験すればするほど、CD との音質の乖離に愕然とする人はむしろ増えているはず。いわば、現状は 20kHz のところでリミッターをかけられているような状態なのだ。(ただ、アイルランド語の声に限っていうと、生の声が聞ける所は世界中でもごく僅かしかないから、どうしても録音の比重が高くなる。)
もし、この推測が正しければ、その上まで伸びているフォーマットを考えるのも意味のないことではない。そこで、一つの候補は SACD。ところが、これがフォークやアイルランド物は殆ど出ていない。状況はこれから変わるのだろうか。話は違うが、スミソニアンで FLAC で配布しているタイプの物は元は LP のはずだから、周波数計測をしてみれば面白い結果が出るかもしれない。
以下、調べた限りの SACD のリスト(フォーク、トラッド関連)。
- Rounder からは10枚出ている。内4枚はAlison Krauss。
- Linn からはスコティッシュ・フォークで1枚出ている。Mackenzie & William Jackson: Notes From A Hebridean Island サンプルでも恐ろしく高域が伸びて音がよい。
- Chieftains: The Long Black Veil
- Natalie Macmaster: In My Hands
- Moya Brennan: Two Horizons
あと、ブリテンの名ギタリスト、マーティン・シンプスンの民族音楽寄り(?)の物が SACD で出ている。ほかにも探せばまだあるかもしれない。
<追記>
そうそう、肝腎のことを書くのを忘れてました。ぼくの最近の方針は<高音質を安価で>という無茶苦茶なものです。ですから、高級オーディオ派とは違いますので、念のため。ぼくの場合の<高音質>の定義はアイルランド語の子音が聞取れることという、非常にささやかなものです。上の Linn 盤について、とんがりやまさんからコメントをいただき、ますます興味が出てきました。さらに、beeswing さんからもコメントをいただきました。それで想いだしたのですが(脈絡不明)、三井徹さんの退官記念論文集『ポピュラー音楽とアカデミズム』(音楽之友社)が今月末に出ます。よい仕事をされている皆さんに感謝の日々です。