MVP 主演・新庄、助演・矢野
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プロ球界が一体になったと感じた瞬間だった。
11日のプロ野球オールスターゲーム(長野)で主演男優賞もとい最優秀選手賞(MVP)を獲得した SHINJO 外野手(32、新庄剛志)。
英語だと「選手」も「俳優」も同じ player だけどね。これ、意外に本質を突いてるのでは。客に「魅せる」「見せる」のが彼らの本分で、それを客も本人も喜んでるんだ。ここんとこの某在京球団オーナーの(球界再編をめぐる)暴言に暗澹たる気持ちでいた野球ファンが心の底から快哉を叫んだ瞬間だったのではないか。
周りのみんなもやる前から分かってたらしい。「行っていいんじゃないですか」とけしかけた三塁コーチ松中はもとより、敵である全セの三塁ベンチにも身振りで訊いたところ、「行くな!アカン!」と絶叫した岡田監督を尻目に、古田と山本昌は手でマルをつくってゴーサインを出した。
だけど、「普通アウトになる」と冷静に予測していた古田をはじめ、新庄本人も「セーフになろうとは思ってなかったんだけどね」と言う通り、だれも成功するとは思ってなかった。
その「野球理論」をぶち砕いたのが矢野捕手である。「分かっとったよ。やりたそうにしていたのは見えていた」にもかかわらず、福原投手に山なりの返球を送る。そこで新庄が本塁へ向かってスタート。投手はモーションをつけずにスナップスローで急に球を投げるのは難しいらしい。結果は「間一髪」セーフ。
かくして、世界初球宴単独ホームスチールが完成した。
なお、関連して(← やや強引か)、玉木正之さんの文章は非常に参考になるので、一読をお薦めしたい。この(球界再編)問題、プロ野球だけの話じゃないっすよ、根っこのところは。重大な問題だと思う。
・古田選手会長との対談(抜粋)
・スポーツを知らない権力者にスポーツが支配される不幸
球界屈指の理論家古田選手の頭脳はいまどんな戦略を描いているのか。「この逆境を、逆にチャンスにしたい」という古田さんの動きを刮目して待ちたい。