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Ray Charles: Live at the Montreux Jazz Festival


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 レイ・チャールズの1997年のスイスでのライヴ DVD。

 Ray Charles: 《Live at the Montreux Jazz Festival》
  (Pioneer PA-11676, 2002)

 全18曲で再生時間は73分。

 DVD ならではの特徴は一曲ごとのレイのコメント。このコメントは非常に興味深い。本コンサートではヤマハの KX-88 シンセサイザーをずっと弾いているのだが、〔本当のことを言えば〕ピアノにまさる楽器はないとレイは言う。ただ、ヴァイブの音色でのベンドを駆使したソロ(トラック7など)はかなり効果的。
 ほかにも興味深いコメントは多いが、二つだけ。一つはレイ・チャールズ・オーケストラのレパートリーは650曲あるというのだが、そのうち演奏旅行には300曲分を携えてゆき、その日の気分で臨機応変に変更しているという。気心の知れた仲間ならでは。
 もう一つはレイは音楽のジャンルは気にしないが、歌詞は重視するということだ。歌詞がひどい曲をとりあげるのはごくまれだという。そのまれな例外が自作の <What'd I Say> という。"I'm a lyric person" というレイ。これからは歌詞にも充分気をつけて耳を傾けてみたい。

 音楽的にはトラック7 <Just for A Thrill>、トラック9 <Angelina>、トラック11 <Song for You>が実にすばらしい。全体に、このコンサートの時点で67歳だったとは信じられないくらい力強い演唱。レイ・チャールズのファンには文句なくおすすめできる。特に、コメントは他では得られない情報で、貴重。

 なお、上の番号は米盤で、カタログ上はリージョン1なのだが、なぜか日本国内向けの DVD プレーヤーでも問題なく再生できる。実際はリージョン0なのかもしれない。