ハンス・アンデルセンの詩人の魂

小山清『小山清全集』(筑摩書房、1969) もとより、全集の書評など簡単にできるものではない。収められた作品のうちいくつかは、すでに小山清『日々の麺麭・風貌』に書いた。ここでは本全集でもっとも読みたかった次の作品について、自分の覚書をかねて記す。 「聖アンデルセン」 ハンスは母に宛てて、母が編んでくれた寝…