あまりに素晴らしく、あまりに貴重な本

小山清『日々の麺麭・風貌』(講談社文芸文庫、2005) 〔筑摩書房刊『小山清全集』(増補新装版、1999年11月)を底本とし、新漢字新かなづかいに改めた小山清精選集〕 小説「落穂拾い」(1952)において、語り手の「僕」は「嘘の日記」を書く。二十年前のことを綴る「〔神楽坂の似顔絵かきは〕微醺(びくん=微酔)をおび…