お大事に Bless me
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〔蔵出し記事 20060805〕
産経新聞の「ひもとくスヌーピーの50年」2006年8月4日付で載った分。
原文はこんな感じ。
谷川俊太郎訳は「はくしょん!」「お大事に」。説明コラムは
この説明は判ったようで判らない。つまり、ポイントはここで「お大事に」が 'bless me' だということ。それがいつもの「お大事に」の表現と違うということ。
いつもの「お大事に」として想定されているのは 'bless you!' または 'God bless you!' だから、それとは逆の方向を向いていることが言いたいわけだ。
しかし、アイルランドではこのスヌーピーと同じ方向で言う。'Dia linn' (God with us) と必ず言う。'Dia leat' (God with you) という表現もあるけれども、違う文脈で用いる。
アイルランド人はどうしてこんな言い方をするのだろうか。まるで相手のくしゃみがこちらに降りかからないように防衛してるように見えるけど。
以下、私見。おそらくは、災厄がわれわれ(みんな)に降りかからぬよう、神の加護を祈る言葉なのだろう。つまり、この「われわれ」は相手と区別した「われわれ」ではなく、相手をも含む「われわれ」なのだと思う。解釈如何で利己的にも利他的にも見えるこの言葉。祈りの言葉としては後者であろう。
ちなみに、伝統的な謂い方は 'Dia linn is Muire' (God and Mary [be] with us) で、コナマラの人から実際にそう言われたことがある。訊いてみると、反射的に出る言葉のようだった。挨拶で聖母マリアを加えて言う場合は、'Dia is Muire dhuit' (God and Mary to you) と言う。これは英語の 'hello' に相当する。
Cuirfidh mé lorg an scéil.