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国語の教科書が子供の言葉遣いに与える影響が相変わらず低い


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 文化庁による平成26年度「国語に関する世論調査」(2015年9月17日発表)にはいろいろと興味深いデータが掲載されている。

 〈今の国語は乱れていると思うか〉という問いに対する〈乱れていると思う〉という答えが前回調査(2007年)に比べて6%減っており、人びとが言語の乱れに寛容になっている姿が浮かび上がるが、一方で、〈子供の言葉遣いに与える影響が大きい人やものはどれだと思うか〉の問いに対する答えはテレビ、母親、父親、友達などの順になっており、国語の教科書という答えは最下位になっている。この位置は3回の調査で変わらない。

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 国語の教科書のひとつ上がラジオだ。私見では、テレビよりラジオのほうがはるかにいい影響を与えると思えるけれども、現実にはあまり聞かれていないのだろう。それに、深刻なのは、調査対象(全国16歳以上の男女)の人びとが国語の教科書の影響力が低いと思っていることだ。

 ただ、救いなのは「子供向けの本や雑誌」との答えが25.3%あることで、そこから突破口も開けるかもしれない。つまり、国語の教科書や授業などを通じて、あるいは家庭や友達、さらにはテレビ、インターネットなどの影響で本や雑誌に関心が向えば、国語の乱れは少なくなるのではないか。

 この調査には全体に「読書」の重要性に対する意識が低いと感じられるけれども、日本人の子供に対しても、外国人に対しても、読書(紙の本であれ電子書籍であれ)の重要性はもっと強調してもよいのではないだろうか。