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松下幸之助のことば「生かし合う」


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自分の生命の尊いことはわかっても、他人の生命もまた尊いことは忘れがちである。

やはり、ある場合には自己を没却して、まず相手を立てる。自己を去って相手を生かす。そうした考えにも立ってみなければならない。そこに相手も生き、自己も生きる力強い繁栄の姿がある。尊い人間の姿がある。

自己を捨てることによってまず相手が生きる。その相手が生きて、自己もまたおのずから生きるようになる。これはいわば双方の生かし合いではなかろうか。

--松下幸之助『道をひらく』(PHP研究所、1968)より

(ひとこと)

 小宮一慶氏(経営コンサルタント)が寝る前に必ず松下幸之助『道をひらく』を読むことを続けているという。繰返し読むに値するという意味では古典といえる。

 上に「繁栄」のことばが出てくるが、松下幸之助らしいと思わせる。それでも、その「繁栄」はまず自己を捨てることによって相手が生き、その結果として力強い「繁栄」の姿があるというのである。単に商売に成功した状態を指すのでない。お互いの命の尊さが輝き出でるような「繁栄」ということなのだろう。そういう「繁栄」や「繁昌」なら結構なことではないか。