「料理はロジックです」
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勝間和代『健康になるロジカルクッキング』(デジタル・ブック・ストレージ、2013)
『万能鑑定士Qの推理劇 I』を読んで以来、自分の中でロジカル・シンキングがブームになっている。そこへ、このロジカル・クッキング。さらに自分にはヒットとなりそうだ。
勝間和代の考える「健康になるロジカルクッキング」はきわめてシンプル。健康のためにどんな栄養をとるのがよいのか、その栄養と調理との関係は、具体的にはどう料理すればよいのか、の3段階で、基礎をおさえる。それだけだ。
すでに勝間和代のメールマガジンで公開されているものなので、内容はよく知っていた。が、自分でまとめる手間などを考えると百円なら買ってもまったく損はない。すでにキンドルが使える人で健康料理に関心のある人は検討に値するだろう(使えれば iPad で読むのが多色マーキングがわかるのでおすすめ)。書籍版は出ていないし、たぶんこれからも出ないだろう。
読んでみて驚いた。あたりまえだが、メールマガジンよりずっと読みやすい。太字や色を変えること、野菜のカラー写真などを載せることなどで、頭にすっと入る。月曜から日曜までの1週間仕立ての章立てになっており、それぞれの曜日で栄養 → 料理の道筋の概要が頭に入る。詳しく知りたい人のための参考文献リストもしっかりしている。
実は評者はこれとメールマガジンを読んだだけではなく、推薦された参考文献も読んでるので、初めてこれを読む人には参考にならないかもしれない。だけど、著者の主張は、多くの本を読みこんで実践を繰返した経験をふまえた結論なので、机上の空論ではなく、頭と舌とを経ているとの実感が文章から伝わってくる。何より、著者は参考文献を鵜呑みにせず、自分でやってみて納得せよと繰返し言っている。
著者が展開する料理の論理は、ある数式を基にしている。さらに、料理における化学反応をベースにしている。そこには実はあまりコツは介在しない。何から何まで目からウロコの本だ。