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1902年に撮られた写真に感動


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[The sketch, posed by Beatrice Baxter in Newport, R.I.]

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〈このポートレートが1902年のものとは信じられない〉とのコメント附きの写真を Twitter で見た。

 確かに「信じられない」と言いたくなる感じはわかる。しかし、なぜ「信じられない」のかがわからない。説明できない。

 調べてみると、この写真は米国議会図書館が所蔵する資料で、次のようなデータと共に公開されている。

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 ここに写っている人物は Beatrice Baxter Ruyl 夫人(1879年生まれ)。撮った写真家は Gertrude Käsebier (1852-1934)。20世紀初頭のアメリカで最も影響力のあった写真家の一人(Wikipedia による)。母性を表現する写真やネーティヴ・アメリカンの写真で有名。

 このデータからすると、この写真家がちょうど50歳のときに、23歳の既婚女性を撮ったことになる。場所はアメリカ東海岸ロード・アイランド州ニューポート。音楽が好きな人ならニューポート・ジャズ・フェスティヴァルやニューポート・フォーク・フェスティヴァルの開催地としてよく知っている所だ。

 夫人は手にスケッチブックを持ち、右のほうを一心に見つめている。膝の高さの石垣で体を支えて。

 この開けた地の、夫人の視線の彼方にはいったい何が視えるのだろうか。背景にはそだの防風林や農家や樹々が見える。

 最初の疑問にもどるが、なぜ「信じられない」のか、理由はわからないけれども、女性写真家がある女性の横顔、その一瞬を写しとった。日影になっているのに、惹きつけられる。見る人は、この画面の中に入ってゆきたくなる。それほどの美しさがここにはある。感動した。