久しぶりに阿闍梨餅を食べた。
[写真出典:満月ウェブサイト]
旨いのはわかってる。食べたことのある人なら。
今日は食べて以後、この外側の「満月秘伝の餅生地」のもちもち感を外国語でどう表現できるだろうと、ずっと考えていた。
アイルランド語はすぐに諦めた。では英語ならどうか。
無難なところなら 'chewy' だろうけど、どこかまだ満足が行かない。もう一歩だが。もち米を glutinous rice というところから 'glutinous' というのもあり得るけれど口語的な響きがしない。
'sticky' や 'elastic' や 'gooey' とか、いろいろあるけれど、隔靴掻痒の感(歯がゆい)。
京都を訪れる外国人が何か印象を書き残しているのではと思いつき、探してみるとあった! コロンブスの卵で、1語で表現しようとするのが間違っていたのだ。
Those of you who are unfamiliar with the Ajarimochi, it's basically the best manju money can ever buy; it's very similar to a dorayaki except the outer layer isn't as much as doughy and floury as it is unbelievably chewy, soft, and moist all at the same time. The inside of the Ajarimochi is filled with rich, creamy tsubuan made from Tanba dainagon azuki beans that provides a tame amount of sweetness that even those with the greatest of aversions to anything sweet can enjoy and savor--the best part is that everything is freshly made with no preservatives so each and every delicately wrapped Ajarimochi tastes like it was brought to you straight out of the oven. [by Scott S. at Yelp]
ほれぼれするような名文だ。ひとえに、阿闍梨餅の旨さがこれを引出したのだろう。
そうなのだ。確かに、言われてみれば、単なるもちもち感でなく、そこにえもいわれぬしっとり感がある。それにやわらかい。だから、この3語を組合わせてやっと、あの魔法の味の感じが出るのだ。脱帽。
もし、一度ためしてみたい人は満月の店舗のページに販売している店の一覧がある。京都以外に大阪、東京、名古屋、横浜、札幌で買える。
1個108円でこれほどの満足が味わえる和菓子も珍しい。満月二代目当主が大正11(1922)年に考案し発売した。