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ITMA

 ダブリンにあるアイルランド伝統音楽資料館(ITMA)アイルランド伝統音楽に関する様々の資料の宝庫だ。古いLPから古い楽譜、最新の研究書に至るまで、調べ物があれば一度は足を運ぶ価値がある。利用は無料。

  伝統音楽LPを探している人はここなら、ある可能性がある。もしあれば、出してきて Stax のヘッドフォンで聞かせてくれますよ。

 ITMAはオンライン・コレクションを公開している。

 音源はもとより、楽譜、音の出る楽譜、伝統音楽関連の書籍等々が集められている。デジタル化は着々と進行している。

タバコ箱入り歌カード

 中に、変り種といっていいか、タバコの箱に入っていた歌のカード集がある。Irish Songs on Cigarette Cards, 1920s という題のコレクションだ。ダブリンのタバコ業者が1920年代に出していた ‘Songs that will Live for Ever’ というシリーズで、全部で50種類あった。日本でいうトレカ(トレーディングカード)の歌版である。

 そのうち、少なくとも15種はアイルランド歌で、それがこのコレクションに集めてある。歌の情景を表す絵と、歌詞とが附いている。絵をかいた画家の名前は不明。

ポピュラー・ソングから伝統歌へ

 歌は19世紀に流行したポピュラー・ソングで、作曲者は Andrew Cherry, Samuel Lover, Thomas Moore, Edmund Falconer, Lady Dufferin, E. Mordaunt Spencer, Alfred Percival Graves, Percy French ら。

 こういう歌は、もちろん当初はソング・シートとして販売されていたものだが、その後、口承伝統に入ってゆき、今ではアイルランド伝統歌の一部のようにも見做されている。

 下に掲げたのは有名な 'The Rose of Tralee' のカード。

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 アイリッシュ・テナーのジョン・マコーマクの歌(1930年)を聞きつつ。


John McCormack - The Rose of Tralee (1930) - YouTube

 

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