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高城剛『黒本』[Kindle版]

 

 ファッション誌からスポーツ新聞まで幅広く出没する高城剛(たかしろつよし)。

 本書は大手出版社からは出せない内容を含むため、Kindle のみでの出版。


 プロモーションもなにもない、素の状態で出して、これだけ勝負できるのはある意味すごい。

 自分が発行するメルマガに寄せられた質問に一問一答で答える形。質問は全部で72件ある。

 世の中のあれこれに関心ある読者なら、たぶん引っかかる点がいくつかあるのではと思う。

 評者が興味深く思った点を少しあげる。が、その前に著者の基本的スタンスを確認しておくと、「日本式システム」が問題だと再三指摘している。その自覚があるためだろう、著者はテレビは全く見ない。もうひとつ、霊性をとても重視している。日本の将来を霊性がにぎるとも。

 評者が興味深く思う点の例。

「テレビが低俗どころか気がつくと末期的であること。」(Q55)

「この3ヶ月、自分の食費を振り返ると毎月1万円は使っていません。服は一着も買っていません。」(Q59)

「楽しまずに、寡黙に言われた通りにやって、自分の発言をせずに、社会に迎合しなさい、と言われた結果が現在の日本で、シャープ、ソニーパナソニックの一年間の赤字合計1兆7000億円です。」(Q69)

 高城剛という人は「ひとりローリング・ストーンズ」のような人だ。つまり、転がる石のような生き方をえらぶ人。理由はわからないが、本書からはあふれる愛を感じた。