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ロコモティヴ・シンドローム


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日本TV系で2009年8月8日に放送された「世界一受けたい授業」で「メタボより怖い新国民病ロコモの謎」のテーマで中村耕三さんが話されました。既にまとめブログ中村さんご自身の発言もありますが、番組で話された内容を書取ったので一応ここに載せておきます。
中村耕三さん(日本整形外科学会理事長): 人間の足の力は体重の60%くらいを片足で上げられると日常生活に支障なく十分できる。 ← これをチェックするには椅子に掛け片足を水平に上げたまま立上がれるかどうか。<高さ40cmのイスに座り、腕を組んで利き足と逆の足を床に平行にして立ち上がる> 出来た人は体重の60%を支えることが出来ている。難しいとか中々出来ない場合は普通の生活でもつまらないことでつまづいたり転ぶなどの危険が少し高くロコモが始まりつつある。
ロコモ・シンドローム(locomotive syndrome: 運動器症候群。骨・関節・筋肉の衰え、日本人の予備軍は4700万人。もはやロコモは国民病。ロコモは連鎖する。他の部分に広がり腰痛になりそこから動くのが億劫になり肥満になる。重い体重が負担になり膝の痛みを引起す。ますます動かなくなり運動神経のネットワークが衰える。バランスをとる能力が低下。怪我が不安になる。腰やひざがより悪化。かく悪循環が繰返される。 ⇒ この連鎖から抜出すのは大変難しい。多くの人が寝たきり=介護になってゆく。難しい理由は、人から何かをしてもらうとロコモから脱却できるのではなくて、ロコモから脱却するには自分自身でやらなくてはいけないためにそこが治りにくい難しいところである。)を防ぐ2つの運動。
ロコモーション・トレーニング(ロコトレ)(1) ロコトレ スクワット…… やる場合は転倒しないように椅子やソファの前でやる。足を肩幅より少し開く。踵より足先を20-30度外に開く。膝を曲げるというではなく腰を下ろすようなつもりでスクワットをゆっくりやる。トイレの便座に座るようなつもり。止まって、そうっと元に戻る。膝に負担は少ない。膝の負担を少なくするために膝の位置が足先よりあまり前に出ないようにする。バランスをとりにくい場合は手を前に出すとバランスがとりやすい。5-6回を繰返し1日3回朝昼晩とやる。介護が基本にあり最終ゴールはトイレに自分で行くこと、その準備に十分なる。 → 痛みがすごく出たらストップだがそれには理由がある。膝が前に出すぎている場合、膝蓋骨と大腿骨の間の圧が高くなり膝の痛みになる。もう一つ多いのは女性の場合に内股になると膝の圧が高まる。
(2) ロコトレ ダイナミックフラミンゴ…… 転倒しないようにしっかりしたものにさわれるような状況で始める。床から片方の足を5cmくらい上げる。この状態を1分間保つ。倒れそうになったらすぐにさわる。右左1分間づつ1日3回朝昼晩とやる。 ⇒ 左右1分間づつのダイナミックフラミンゴは約53分間の散歩と同じ負荷との研究結果も(西蒲田整形外科 阪本桂造院長調べ)。転倒予防にもなるし、老人には立上がって一歩を踏出す訓練にもなる。介護を受けていた88人がダイナミックフラミンゴを1日3回半年以上実践したところ、37人(42%)が改善した。維持は41%、悪化は17%(藤野整形外科医院 藤野圭司院長調べ)。
この二つの運動で痛みを覚える場合はメディカルチェックを受けたほうがいい。
筋力はスムーズな動きをするために最低必要。膝が痛いからじっとしていればいいというわけではなくて有効に上手に使うことがすごく大事。
人間の骨・関節・筋肉の健康は今までは何か空気のように必ず保障されているように思っていた。ところが、長寿社会になってみると誰でも具合が悪くなって介護になってゆく危険性が非常に高い。一旦なると自分で抜出す以外には誰かがさすってくれると治るという事ではない。この練習を無理のないところから始めると幸せな老後を過ごすことが出来る。〔8月8日放送「世界一受けたい授業」〕