Tigh Mhíchíl

詩 音楽 アイルランド

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短信あちこち <コメント> <追記>


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  • 大嶋 豊さん、ここ、ご覧になってますか。見てないかな。デヴィッド・リンドレーの来日公演のことは Tigh Mhichil でも3月11日付で報じたんですけど。いよいよ来週からですね。
  • 先週のピーター・バラカンさんの番組で紹介された邦訳本は『スウィート・ソウル・ミュージック―リズム・アンド・ブルースと南部の自由への夢』(ピーター・ギュラルニック著、新井 崇嗣訳、シンコーミュージック・エンタテイメント、3,360円)。三井 徹さんが訳した『ロバート・ジョンスン―伝説的ブルーズマンの生涯』(JICC出版局、1991)でも「ピーター ギュラルニック」となっていたけど、どうして「ギュラルニック」なのかなあ。三井さんのことだから本人に確認したのかもしれないけれど、ふつうに読めば「グラルニック」だと思う。
  • バラカンさんといえば、今週もよかったですね。今朝のウィークエンド・サンシャイン(FM NHK)はブリティッシュ・フォーク好きにはたまらない選曲でした。バート・ヤンシュ(《The River Sessions》 から1974年のライヴ <Key to the Highway>)やニック・ジョーンズらの発掘物がかかりました。
  • ところで、最近、よい歌を収めたアルバムがないかと非常に気になってきました。何を今さらと言われそうですが、その最大の原因はかのショーン・キャノン(Sean Cannon)のアルバム 《The Roving Journey Man》 (1977年Cottage原盤)をたぶん初めて聴いたからです(Kissing Spell から初 CD 化)。わずか10曲、35分の CD。知らなければ、これが十年に一枚級の歌の名盤とは分からないでしょう。  ダブリナーズのメンバーだったということですが、ダブリナーズのことは別として、純粋にソロの歌のアルバムとして抜群の出来です。▼で、このクラスの歌のアルバムが他にないかなあと考えています。無伴奏だと Darach Ó Cathain の一枚しかない超弩級のアルバムほか、何枚かはあるはず。が、やはり、アイルランドでは歌は無伴奏が定番で、ブリテンのようなギター伴奏が入るものとはかなり雰囲気が違う。特に、キャノンのトラック3 <My Lagan Love> のような歌とギターが絶妙のからみをするようなものは、他にはちょっと思いつかない。これぞ、ギター弾語りの醍醐味と思わず唸るような曲です。*1 バラディア(バラッド歌手)と呼ばれるダブリナーズの音楽性がやはりそこには関係しているのでしょう。▼その昔、東京は渋谷のブラック・フォークでは「歌たち」と言ってました。歌い手よりはむしろ歌のほうが主人公という意識です。いい歌をひたすら歌いたい。そういう観点から選ばれた歌のアルバムは、歌い手に恵まれれば、これは類稀なものとなる可能性があります。現代では得難いものかもしれませんが。▼やっぱり、あれこれ考えても中々ないですね。ほんとに無伴奏を出してもよければ、マティ・ジョー・ヘームィシュ・オ・ファールタとか、ある程度は出てくるんですが。うーん、未知なるものとの出会いを求めて探してゆくことにします。
  • 昨日のローマ教皇の葬儀ミサについて。ぼくは BBC の中継と CTV (ヴァチカン放送)の6秒遅れの中継とを同時に見てました。予想以上に素晴らしいミサで、深い感慨を抱きました。日本からの出席者については、首脳レベルのことは天木直人さんの 記事 と同様の感想です。首相は国内の郵政民営化のゆくえで頭が一杯で世界平和のための外交など、もっと大事なことに心がゆかないのかと思うと、悲しいやら情けないやら。日本からの名代、川口さんは NHK の中継が終わったあとに CTV でごく僅か映っただけでした。*2 存在感がないこと夥しい。本当に、NHKプロ野球中継のほうが大事だったんですね。*3 中継終了後の15分がなければ、あの葬儀中継は殆ど意味がないと言っていいくらい重要な部分だったんですが。ギリシア正教会のチャントの途中で切れたので見ている人は変な感じがしたのでは。


<追記>
下にあるコメントで、おおしまさんから、ショーン・キャノンの翌年のアルバムを教えていただいた。《Erin The Green》 (Ogham 原盤番号 BLB 5004, 1979) がそれで、英国の Hit'n'Run Records ではこの LP を5ポンドで売ってます。最近、Kissing Spell が CD 復刻したのは Cottage レーベルでしたが、この Ogham レーベルはどこかやってるのかな。

*1:しかし、この曲のクレジットが全くないのは頂けない。起源は謎だが曲はいいなどと能天気なことをライナーに書くとは。少なくとも、詩に関しては、はっきりと Seosamh MacCathmhaoil 〔Joseph Campbell〕作と記すべきである。イェーツのほうだけ書くというのは解せない。この扱いは、MacCathmhaoil は無念であろう。

*2:TBS の4月9日夜の番組「ブロードキャスター」では現地取材記者も川口さんの存在を確認できなかったという。日本の報道機関はどこも CTV を見ていないのか。

*3:ちなみに、その中継は甲子園での阪神対横浜戦であったが、毎日放送系をはじめ、試合終了まで放送するサンテレビも中継を行っていたので、阪神ファンの多い関西地区に限って言えば、仮に NHK でやらなくとも視聴者からの不満が出たことは殆ど考えられない。