アイルランド語がEUの公式言語へ <追記>
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アイルランド語がEUの21番目の公式言語となる見込み。
Irish Examiner 11月24日付によると、ブリュッセルで今日その議論が開始され、向こう数ヶ月内に他のEUメンバー諸国が承認すると予想されるという。公式言語に採用されれば、EUの決定事項をアイルランド語に翻訳するために110名の翻訳者が雇用され、年俸は85,000ユーロ(約1,150万円)になるという。
一方、Irish Times 11月24日付によると、公式言語としてのステータスはマルタ語と同様の特例措置になるもよう。つまり、すべての公式文書がアイルランド語に訳されるわけではない。
欧州議会732名中、唯一のアイルランド語ネーティヴ・スピーカーのショーン・オ・ニャハタン(Seán Ó Neachtain)さんはこの提議を歓迎している。彼のコメント。
This is the moment of truth. The application is being made formally and I welcome it wholeheartedly.
つまり、「これは決定的瞬間です。(アイルランド語をEUの公式言語にするようにという)申請が正式になされるのです。私は心の底からこのことを歓迎します」という嬉しさを隠しきれない発言である。なお、アイルランド語は現在EUにおける条約言語(treaty language)。つまり、すべての条約はアイルランド語に翻訳され、アイルランド語条文も有効。EU住民はEUの組織に対しアイルランド語で手紙を書きアイルランド語で返事を受取ることができる。
<追記>
アイルランド語をEUの公式言語にという主張はかねてからあり、メアリ・バノッティ(Mary Elizabeth Banotti, MEP 1999-2004)さん事件というのもあった。欧州議会での初演説の際、誇り高くアイルランド語で話し始めた彼女に対し、議長は着席するか英語で話すかを選ぶよう告げた。ところが、彼女はイタリア語で話し続けたという事件である。アイルランド語を公式言語にという立場の詳細は例えば、こちら で読める。