投稿のためのアイルランド語作文(2)
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アイルランド語のみしか使えない掲示板やメーリング・リストなどに投稿するためのアイルランド語のスタイルを考えている。例は Comhrá Oscailte as Gaeilge から。
前回のハンドル OCG さんからの質問に対し、早速翌日 Aonghus さんから返事があった。この人のアイルランド語は短くてまことに達意のアイルランド語。簡潔の極致。
Aonghus
Posted on Friday, April 23, 2004 - 04:06 am:
Amhrán Mhuinse, sílim. Ach ní bhfuaireas na focail.
Ta dornán leabhar agam sa bhaile, caithfidh mé súil orthu.
このアイルランド語は一見すると簡単そうだが、こういう極度に切詰めたアイルランド語の場合はなかなか難しいことが多い。ざっと英語に訳す。
Amhrán Mhuinse, I think. But I did not find the words.
I have a handful of books at home, I will cast an eye on them.
まずは、歌の題名の綴りについて。
Amhrán Mhuinse, sílim.
<Amhrán Mhuinse> だと思う。
書き言葉だと 'sílim go ...' などとなるところが、ここではあとに挿入的にくっつけている。
ní bhfuaireas ...
〜は見つからなかった
この 'fuaireas' は不規則動詞 'faigh' (得る)の過去形の一人称単数形。現行の普通のアイルランド語文法書にはこの形は出ていないかもしれない。
私はこれはマンスターのアイルランド語の普通の形を使ったのだと思うけれど、仮にコナマラのアイルランド語として説明をつけるなら、これは先の質問中の 'fáil' ('faigh' の動名詞)に対する応答形としての一人称単数形ということになるだろう。Learning Irish の第36課で言う 'echo' forms の一つだ。
こういう風に、インターネット上の発言は、話者がどの地域の出身者か不明なことがあり、どういうアイルランド語を使っているか判断できないこともある。が、質疑応答なので、文脈は大体想像がつく。
caithfidh mé súil orthu
それらの本を見てみましょう
家に帰ったら関連書があるので、見てみるというのだ。なお、'caithfidh' は 'caith' の未来形で、よく 'must' の意味で使われるが、ここは本来の意味。
以上を日本語にすると次のようになる。
〔表題は〕 <Amhrán Mhuinse> と思います。でも、歌詞は見つかりませんでした。家には何冊か本があるので、見てみます。
この人の答えは相当に期待させる。(つづく)