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Knock-Knock Joke の基本


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 英語の映画などで時々出現するある種のだじゃれ問答の型のひとつにノックノックジョーク(knock-knock joke)と呼ばれるものがあります。

 基本形は次のようなものです。

Knock Knock.
Who's there?
X.
X who?
X ...

 この最後の "X ..." の部分がオチです。
 オチは直ちに分かるものもあれば、ちょっと頭をひねらなければならないものもあります。

 こちらのサイト によると、歴史的には「1920年から10年ほど続いたアメリカの禁酒法時代に始まったとされています。人々がこっそり、もぐり酒場(speakeasy)に入るとき、ドアをノックして、名前や「合い言葉」を告げた名残だと考えられています。1935年ごろに大流行したそうです。」ということです。同サイトにはさまざまな映画からの用例が載っています。たとえば、1998年の米国映画「ユー・ガット・メール」(You've Got M@il)のジョーとローズとの会話。

Joe: I'm Joe... Knock, knock.
Rose: Who's there?
Joe: Orange.
Rose: Orange who?
Joe: Orange you going to give us a break by zipping this credit card through the credit card machine?

 ここで、ジョー(トム・ハンクス)は始めに名乗ってからこの問答を始めていることから、以下の会話は文字通りの意味を有するものでなく、ある「型」にのっとったしゃれないし遊びであることが分かります。ポイントは X が Orange であることで、Orange の後に続くいわば姓の部分にいかに工夫を凝らすかというのが面白味です。最後のオチは "Aren't you going ..." (このクレジット・カードをそのカード読取機にピッとかけて助けてくれない?)の意と解きます。
 映画での状況は、現金扱いのみのレジに並んだもののカードしかなく困ってしまったキャスリーン(メグ・ライアン)をジョーが助けようとレジ係に声をかけるというものです。

 いろんな例を解くうちに私が体得したコツは、X を何度も口の中で唱えるうちに、それに続く文句がひらめくというものです。Orange, Orange, Orange, ... Aren't you going to ... というわけです。コツが分かるとなかなか面白いですよ。