Liam Clancy & Diane Guggenheim (2)
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リアム・クランシーの インタヴュー におもしろい言葉がある。
I helped lug all her [Diane's] recording equipment around Ireland, and discovered music I never knew existed in our own country -- the fiddlers, the storytellers, the folklore. That, for me, was when the whole thing jumped out of the parochial into the universal.
つまり、ティペレアリー周辺の地元の音楽しか知らなかった一アイルランド人(=リアム・クランシー)が米国からやってきた女性(=ダイアン・ハミルトン・グッゲンハイム)のおかげでアイルランドの民俗伝統に目覚め、地方から世界へとアイルランド音楽が雄飛する結果になったのだ。この目のつけどころ或いは慧眼をアイルランド人自身が持たなかった(持ち得なかった?)のは少々残念であるにせよ、今これだけの音楽を享受できているわれわれとしては結果オーライという他あるまい。それとも、金持ちアメリカ人の力など借りずとも、SP 盤を大事にしたゲール・リンの仕事だけでも現在のアイルランド音楽はあったろうか。
ぼくは一度グッゲンハイム美術館(ソロモン・R・グッゲンハイムのコレクションを展示)を訪れたことがあるが、その頃にはこんな数奇な歴史は知る由もなかった。(つづく)