ショーン・マグワイア（Sean Maguire）

　上の MacGuire に関して下に熊谷さんからいただいたコメントがあります。フィドル奏者として著名なショーン・マグワイア（1924- 、ベルファスト生まれ）の名前の綴りに関してです。熊谷さんお持ちの3枚のアルバムごとに違う綴りだそうです（”McGuire” ”MaGuire” ”MacGuire”）。MaGuire というのはやや珍しい綴りで、ふつうは Maguire だと思います。Fintan Vallely の決定版的伝統音楽ガイド本 The Companion to Irish Traditional Music (1999)では Seán Maguire の見出しになっています。Claddagh レコード店では McGuire に統一しているようで、その名のもとに8種類のアルバムが挙げられています。

　なお、Geoff Wallis らの重要な伝統音楽ガイド本 The Rough Guide to Irish Music (2001) でも Seán Maguire の綴りが使われています。さらに、生まれこそベルファストだが、音楽的伝統は父 Johnnie （Cavan 県 Mullahoran 出身）を受継ぎ Cavan 県の伝統を引いていると指摘しています。生年はヴァレリのいう 1924 年とは違い 1927 年としています。父 Johnnie Maguire はフィドルをはじめ各種の楽器を演奏したそうですが、同県のフィドル奏者 James McInerney の影響を強く受けているとのことです。代表作としては 《Portráid》 (Celtic Music, 1990) を挙げていますが、Claddagh のリストにはないので廃盤でしょうか。ぼくも聞いたことがないように思います。