アイルランド語の姓名における O (5)
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《Ó Briain 変奏曲》をもうちょっと続けよう。これまで、Ó の主格と属格の形を見てきたが、ここで呼格(vocative)の形を加えよう。
主格 ó, 属格 uí, 呼格 uí
実は何のことはない。呼格と属格とは同じ uí なのだ。それでは主題 Seán Ó Briain さんを変奏しよう。
まず、ショーン・オ・ブリアンさんに呼びかける場合の言いかた。
a Sheáin Uí Bhriain
この Uí は呼格の形。
続いて、オ・ブリアンさん、ないしオ・ブリアン氏。英語だと Mr O'Brien に相当。
Mac Uí Bhriain
An Brianach
この二つの言いかたがある。*1 二つ目はちょっと違う経路。一つ目は直訳すると「オ・ブリアンの息子」だろうけど、これが「オ・ブリアン氏」の意になる。
さて、ではこのオ・ブリアンさんに呼びかけてみよう。
a Mhic Uí Bhriain!
a Bhrianaigh!
どうです。中々おもしろいでしょ。
男性名はこの第一変化以外に、第三変化と第四変化の名前がある。
なお、女性名は大体において第四変化で、少しだけ第二変化の名前がある。
固有名詞の格変化は普通は辞書に出ていないので、このあたりの知識は自分でコツコツ集める必要がある。特に、少し変わった変化をする名前の場合は、注意が必要。たとえば、Niall の属格は Néill で、Ó Néill という姓になる。*2
Niall → Ó Néill