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Tigh Mhíchíl

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遺伝の法則を復習しよう


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葉山 透『0能者ミナト (8)』KADOKAWA/アスキー・メディアワークス、2014)

 

霊能力などによらず、論理と理性で怪異の問題を解くがゆえに、その筋では評判の悪い湊が主人公のシリーズも第8巻まで来た。今回の怪異事件は人里離れた館で発見されるふたりの赤ん坊に端を発する。

そのふたりは怪異の子ではないか。つまりその子らそのものが怪異ではないかと噂になる。ふたりをあずかっていた神道側と仏教側に突然その噂を裏づける資料がわたり、両者はふたりを怪異として排斥にかかる。

そこから事件は急展開する。ふたりは追い詰められて逃げる。もともと愛し合っていたふたりの一夜の契りから、予想通りというべきか、怪異の子が1日で生ま れる。その怪異の子の強いこと。神道仏教両方の能力者が束になってかかっても敵わない。おまけに、両者のなかに怪異に変ずる者が続出する。

ところが、事件を担当した湊は、ふたりは人間だという。遺伝の法則により今回は怪異が生まれたというのだ。

この謎解きにはうならされる。そこから事態はさらに意外な方向へ展開し、そもそもこのふたりが生まれた起源にまで行きつく。

今回のテーマは、怪異と人間の遺伝子が交わればどう遺伝するかという問題だったけれども、この遺伝法則はほかのすべてにも原理的に当てはまる。常に冷静に問題を考える必要があることを痛感させられる。

ストーリーとしては第一話「劣」だけでもよかった。無理に長編にする必要はなかったのではないか。

 

 

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