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空飛ぶムーミンはパパを見つけられるか


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トーベ・ヤンソン『小さなトロールと大きな洪水』

 

 ムーミン童話シリーズの最初の作品。

 楽しい。あたたかい。ふしぎ。

 こんな物語が1945年にかけたなんて。おどろいてしまう。

 かいたのは物語の文章と絵。作者のトーベ・ヤンソン(Tove Jansson, トゥーヴェ・ヤーンソン)はフィンランドでは画家としての評価も高いという。本書でもふんだんにその絵をたのしむことができる。

 ムーミン・シリーズの主要な登場人物は次の作品から出てくるので、本書はしばしばシリーズの前日譚とみなされている。が、前日譚であろうとなかろうと、この話はこの話としてじゅうぶんに読むにたえる。

 ぼくが読んだのは Kindle 版で、講談社文庫を電子書籍化したものとのことだが、「ムーミン谷の魅力」という文庫版の解説は残念ながら附いていない。

 原題は Småtrollen och den stora översvämningen という。おやと思ったひともいるだろう。そう、これはスウェーデン語。フィンランドには二つの公用語があり、そのひとつ。もうひとつはフィンランド語。作者はスウェーデン語を話す家庭に生まれた。

 物語は、もともとつけようとしていたタイトルに要約できる。「パパをさがすムーミントロール」。さて、ムーミンはどうやって空を飛ぶのでしょう。

 

小さなトロールと大きな洪水 (講談社文庫)

小さなトロールと大きな洪水 (講談社文庫)