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相続税の改正に対応したガイド


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天野隆『2時間で丸わかり 相続の基本を学ぶ』

 

 相続税基礎控除が平成27年1月1日から6割に引下げられた。課税対象者は当然増えた。本書は幸せな相続のために「節税」と「爽族」(争わない爽やかな相続を指す造語)に焦点を当ててまとめた本だ。

 基礎控除額は以前は〈5000万円+1000万円X法定相続人の数〉の式で計算した。

 平成27年1月1日以降、相続が発生すると〈3000万円+600万円X法定相続人の数〉となる。つまり、基礎控除額が現在の6割になる。親がごく平均的な資産をもっていれば相続税を払うことになる。

 税制改正により、もはや、相続税は金持ちの税金ではなく、大衆課税の時代に入る。当然、生前の対策が重要になる。

 本書は実務的に準備が必要なことを要領よくまとめてある。ロードマップのように頭に入れておいたほうがよい事がらだ。親が亡くなると、すぐに一連の手配が必要になる。葬儀、親戚知人への通知、死亡届の提出、火葬許可の申請、等々。忘れていけないのは葬儀費用等の準備。

 葬儀後には、世帯主の変更届、国民健康保険公的年金の資格喪失届などを死亡後14日以内に手続きせねばならない。

 葬儀費用のうちでも債務控除の対象になるものとならないものとがある。こうした項目数の多い事がらは本書では表やリストで見やすくまとめられている。

 相続税は相続が発生してから10ヶ月以内に申告すると定められている。その問題が本書の中心だ。

 何が相続税の対象となるか。たとえば、相続の開始日(死亡日)から遡り3年以内に被相続人から贈与された財産は相続税の対象となる。墓や仏壇は相続税の非課税財産だ。

 相続財産のうち、宅地は(市街地の場合)路線価方式で評価する。路線価図は 国税庁サイト で見ることができる(画面下部にある)。路線価図は毎年1月1日現在の価格だ。

 本書はこうした相続財産に関連する種々のケースや、もめない遺産分割協議のやり方(協議の進め方そのものの提案からスタートする)など、実用的な知識がわかりやすく記述されている。

 

2時間で丸わかり 相続の基本を学ぶ

2時間で丸わかり 相続の基本を学ぶ