Tigh Mhíchíl

詩 音楽 アイルランド

記事一覧

歌集としての詩編を祈り歌う


[スポンサーリンク]

典礼委員会詩編小委員会『詩編―ともに祈りともに歌う』(あかし書房、1972)

f:id:michealh:20151219151331j:plain

 詩編とは歌集である。本書あとがきに〈詩編は、紀元前三~一世紀ころ、イスラエルの民の共同の祈り、集会の歌として集められたものである〉とある。

 本書はカトリック教会で共同の祈りと歌に用いるために詩編の新しい訳としてつくられた。聖務日課や典礼書、典礼聖歌などに採用される基礎となる訳であり、詩編150編の全文を訳注とともに刊行したものだ(1972年)。

 特徴は祈りと歌唱とにふさわしいことばが吟味された詩行であることと、諸学の成果を結集した訳注が脚注の形で各頁に配置されていること。500頁以上あるのにコンパクトな本に製本されており、携帯にも便利であること。

 本書の編集方針がしっかりしているために、聖書学や典礼聖歌などに興味がある読者には読みごたえがあるだろう。

 さらに、本来、詩である詩編を味わう上で、詩として行のおわりに細心の注意が払われている訳であることは特筆に値する。

 巻末に収められた作曲家の高田三郎の文章「詩編の歌と作曲について」は示唆に富む。古代からキリスト教の礼拝で聖書朗読の間に詩編が用いられてきたわけについて、〈まず聖書朗読で聞いた神のことばを、同じ聖霊のインスピレーションを受けてつづられた祈りであり歌である詩編によって深く味わうためである〉と述べる。詩編の本文は聖歌隊などが歌い、会衆が答唱句を歌う。この答唱句について、〈特に注意して、終わりには味わい言葉が来るようにする(たとえば、単なるbe動詞や、否定のことばが終わりに来ないようにする)〉と述べる。

 本書が一般書店で入手しにくい場合は、Paulus Shop で入手可能。

 

michealh.hatenablog.com

michealh.hatenablog.com

広告を非表示にする