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'Galleon' の一節 Back in time to a place beyond から海を想う


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 ラーサリーナ・ニ・ホニーラのウェブサイト flameofwine.com の扉にかつて書かれていた言葉。

Back in time to a place beyond, where no one else has been so far
All the joys of my yearning heart, haunting music for the soul.

 これは2枚目のアルバムFlame of Wine (2005)のトラック6 'Galleon' の一節である。英語による自作曲だ。

 聞けば聞くほど、この歌には惹かれる。恐らく、海を見ながらこの旋律が浮かび、そこに、かつてゴールウェー湾に来訪したスペインの帆船(ガリオン船)のことを夢想する詩を載せたのではないかという気がする。その気持ちは分かるような気がする。私もある夏、コナマラ沖の無数の帆船をただ眺めて暮らした日が丸二日あり、海の彼方へと誘われるような心地がしたものである。それはカールナとア・ヒャルー・ルーアにおいてであったが、どちらでも同じ船を見かけ、不思議な心地がした。それはジョン・ビョグの歌で名高い帆船「メリカン・モール号」であった。今も現役である。いずれにせよ、ここでは曲と詩とはぴったりだ。名曲と言ってよい。(写真はカールナ沖で撮影。クリックすると拡大します。)

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 前にも書いたような気がするが、コナマラやアラン島のあたりでは、夏じゅう、帆船にからむ祭りが毎週のように行われている。ゴールウェーの伝統的帆船には大小さまざまなサイズがあり、呼び名も違う。その船は高度な技術に裏打ちされている。そのようなシーマンシップの強い絆を、ゴールウェー湾とスペインとの間に感じたことから、ラーサリーナはこの曲を作ったという。

 数百年前にそのあたりにやって来ていたスペイン帆船を夢想しながら、時の彼方へ、さらに誰も見たことがない黄金色の楽園へと、歌い手は恋人を誘う。しかし、その前に恋人は「漂泊する私のガリオン船への秘密の鍵」を見つけねばならない。その鍵とは一体何なのだろう。

 コナマラの海の伝統に関心ある人には次の二冊をすすめる。いずれも、コナマラの伝統音楽とは深いつながりがある。二冊目は DVD (PAL?)附き。

  • Bob Quinn, The Atlantean Irish: Ireland's Oriental and Maritime Heritage (Lilliput P, 2005)
  • Richard J. Scott, The Galway Hookers: Sailing Work Boats of Galway Bay, 4th ed. (A. K. Ilen, 2004)

 

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