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高城剛の提唱する魂の健康とは


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高城 剛『SOUL RESET 魂の再起動 魂の声に耳を澄まし、未来を見通す方法』(マガジンハウス、2012)



 高城剛の『黒本』で、魂の捉え方に興味をいだき、同書で出てきた佐藤界飛の考えも、おもしろく思った。本書は、それらの要素をさらに深めたものではないかと期待して読んでみた。高城説と佐藤説の両方が含まれているからである。両者の対談もある。結論は、ある程度、期待に応えてくれる。が、構成が複雑で、必ずしも高城が提唱する内容が分かりやすいとはいえない。つまり、書物としては編集に難があると感じられるが、内容はおもしろく、かつ、おそらく、重要なことを含む。姉妹編の『身体の再起動』は未読なので、本書のみから、つかみだしたことを、以下に書く。

 本書は煎じつめれば、心のダイエット法を説く。

 そのために、構造の理解をうながす。本書では、人間の「身体━心━魂」のバランスをコンピュータに喩える。すなわち、「ハード━CPU━OS」の仕組みに置き換える。

 このバランスを整えるのが最終目標だが、本書では魂を賦活するために、心に、その役割を自覚させる。心は頭がつくり出す、というのが大事なポイントで、それゆえに、頭に入る経験、知識、情報の性質を解き明かす。

 高城は、頭が喜ぶこと(ラクすることや欲望)をするのではなく、魂が喜ぶこと(感動できること、それにつながること)をすればいいと説く。このメカニズムについて、本書ではいろいろな例を挙げて説明するが、必ずしも分かりやすくない。喩えのほうが難しいかもしれない。しかし、分かるひとには分かるのではないかと思う。