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すきとほった風ばかり


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宮沢賢治: おれはひとりの修羅なのだ』(平凡社 日本のこころ ムック、2014)



 豪華な本(ムック)である。

 宮沢賢治の没後80年記念出版。貴重な写真をふんだんに用いて賢治像を多角的に描き出す試み。賢治を愛するすべての人の愛蔵書とすべく渾身の編集がなされている。

 詩人だけでなく、童話作家、農芸科学者、宗教思想家、その他、さまざまの側面がある賢治を、できるだけ直筆の資料の鮮明な写真などで浮かび上がらせようとする。解説の文章は概して短く、文だけで情理を尽くすとはいかない。

 それでも、見るべき文章はある。評者は本書を手に入れて真っ先に暁方ミセイ「傑作の息継ぎ」のページを開いた。期待にたがわぬ文章で、さすがは賢治の宇宙的透明感を最もよく引継いでいる現代詩人が書いているだけのことはある。「何かが感触的にわかる、という曖昧な次元で書くことにおいて、きっと天才だったのだ」とある。そして、「力を抜いてのめりこんでいける」詩の例として「風林」をあげる。

 「すきとほった風ばかり」は、「眼にて云ふ」から引いた。

〔追記。「雨ニモマケズ」が発見された手帳の写真もあります。上質紙なので、いろんな写真の(特に岩手県あたりの)、それはきれいなこと。ため息が出ます。〕


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