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毛髪の健康は全身の健康を反映する


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山田佳弘『髪は増える!』自由国民社、2015)

 

 本書のポイントは、初期のころにちゃんと取組むと、ほぼ8割の人に効果があること。そのころに、ちゃんと1年から2年間、取組めば、毛に元気が出てきて不安は無くなると(8頁)。

 初期のころとは、毛の将来に不安を覚え始めるころ。毛がおかしい、シャンプーを変えようか、育毛剤を検討しようか、などと思いだすころ。

 〈全身の隅々まで血が巡っていて心身共に元気で余裕がある状態(血余)になってくれば、頭皮のケアのやり方次第では、ある程度の効果は望める〉と著者は言う(8頁)。

 この「血余」(けつよ)は中医学で髪のことを指す。だから、著者の議論はいわゆる「漢方」をベースにしていると考えてよい。しかし、その結論は、他の毛髪に関する現代医学をベースにした指南書と似通っている。似た結論なので信頼できるかどうかは、読者の受取り方しだいだが。

 したがって、本書で「医学」の語が使われるとき(例えば25頁「医学の世界ではどうみているか」)、それは現代医学を指していると考えるべきである。つまり、科学的根拠に基づく学であり、経験の学である中医学中国医学)とは明確に違う。検査数値に現れない人の異常を治療対象とする。

 本書の思想を端的に表すのは「髪の毛は私そのものである」という言葉。著者は次のように言う。

体内に取り入れたものは、血に取り込まれて体の隅々まで行き渡り、毛細血管から毛を作る組織に取り込まれて細胞分裂を繰り返して伸びていくのです。ということは、毛は「あなた」の内部で生まれて育った「あなたそのもの」なのです。

 毎日のヘアケアに関して、シャンプーに関して本書が主張することはしごくまともなことだ。〈皮脂を取り過ぎるようなシャンプーで、皮脂を取り過ぎるようなシャンプー法を採っていると毛を無くす〉(78頁)。人の体を守る膜をその種のシャンプーが崩すのだとすれば、当たり前だ。

 〈週に1回程度なら皮脂(皮膚の脂)を取るようなシャンプーをしても、皮脂は再度分泌されるので皮膚のバリア構造(体を守る膜)はほぼ崩れません〉(80頁)。この主張は、例えば現代医学の立場から書かれた宇津木龍一著『シャンプーをやめると、髪が増える』(KADOKAWA / 角川書店、2013)の結論と同方向だ。

 本書の第4章は「血余のための育毛法」となっていて、本書の主張の根本である心と体によいことがたくさん書いてある。ウォーキングの方法、入浴の方法に続き、食事の方法でおやっと思うことがあった。〈朝は牛乳やヨーグルトなどのタンパク質・炭水化物を摂りません〉(136頁)とある。そういうものでなく、生の野菜(+塩とチリメンジャコかシラス、オリーブオイルや亜麻仁油等)と果物と水を勧めている。〈ナトリウム、カリウム、カルシウムをバランスよく摂れるので、エネルギーや「気」の流れを良くするのに役立ち、体の解毒にもなる〉とする。ここのところは中医学の立場が濃厚に感じられる。

 シャンプーを使わない洗髪法こそが本書の肝だろう。〈基本は湯シャン〉とある(145頁)。これは宇津木著と同じ。ただ、細かいところにやや違いがある。というか、洗髪の具体的方法と洗髪後の乾かし方の細かいところまで宇津木著には書いてない。その点で本書は値打ちがあるかもしれない。どうしてもシャンプーを使う場合の洗髪方法も詳しい。すすぎ方も詳しい。シャンプーの選び方も。石鹸シャンプーはお勧めできないとあり、おやっと思った。ここまで詳しく書いてあるとは思わなかった。

 著者は育毛相談の道案内人であり、医師や研究者ではない。参考文献が巻末にずらーっと上がっている。東洋医学については書物よりも専門家から学んでいる。ここから先は読者が一人一人考えるべきことだろう。

 

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