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セット・ダンスのバイブル


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Pat Murphy, Toss the Feathers: Irish Set Dancing (Mercier P、1996)

 

 世界中のセット・ダンス愛好家が肌身離さず携行する本。

 著者 Pat Murphy によるセット・ダンス本は計4冊あるが、これはその第1巻。64種類のセット・ダンスの踊り方が書いてある。じつに分りやすい。

 アイルランドでは老若男女を問わず人気のある伝統的なフォーク・ダンスだが、日本を始め世界中に愛好グループが存在する。基本的には2人組が4組の計8人のセットで踊る。

 筆者が所属する大阪は森之宮のセット・ダンス練習会ではおそらく全員がこの本のみならず、全4巻を所持している。ちなみに、この会ではCD等の音源によるのでなく、毎回、生のケーリー・バンド Sainak による伴奏で踊るという贅沢な練習が行われている(Sainak は2015年9月に日本で開催されたおそらく初のケーリーバンド・コンペティションで準優勝の栄誉に輝いた)。ご関心の向きは Sainak のウェブサイト をご覧あれ。

 この本は多くのセット・ダンスを紹介している点にその第一の意義があるが、隠れた意義に、その序文がある。ここには基本的なステップの解説以外に、ダンスの歴史的な説明がある。ただし、書かれた記録はあまりないのだが、それは、口承を基本とするアイルランド文化の例にもれず、ダンスの方法も口伝えで来たからだ。

 アイルランドのセット・ダンスをやっている人は、たとえばスコットランドやフランスのそれを見ると、類似した動きを認めて親近感を抱く。歴史的にはヨーロッパ大陸、特にフランスのダンスの影響は18-19世紀頃から見られる。

 この本だけを読んで踊れるかというとそれは難しいだろう。本はあくまで記憶の助けである。近くにある練習会や講習会などに参加して、からだで覚えるしかない。多くのリズムの種類に合わせてからだが自然に動くようになったときの快感はこたえられないものがある。

 世界中にアイルランドの音楽、ダンス、言語などの伝統文化を普及している団体にCCEがある。その日本支部である CCE JAPAN を訪ねれば、東京の会を始めとしてさらに情報が得られると思う。

 

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