東マンスターの歌集 'Binneas thar Meon'
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Dáithi Ó hÓgáin, Binneas thar Meon, Iml. 1 (CBÉ, 1994)
もともと、リーアム・ジェノラ(Liam de Noraidh)が1940年代に東マンスター地域で収集した歌を集めた歌集が、ダーヒー・オホーガーィン(Dáithí Ó hÓgáin)の編纂で1994年に出版されたもの。第1巻と銘打つが、第2巻以降はぼくは見たことがない。序文に全3巻となる予定と書いてあるが、編者は惜しくも2011年に他界している。その後、どうなったのだろうか。
オーニャ・イハリーの2009年のアルバムが取上げたのはこの歌集からの歌だ。ただし、そのアルバムの歌で本書にないものがいくつかある。いづれにしても、オーニャが研究対象としたのはこのあたりの歌だ。
各歌について、旋律の楽譜、アイルランド語歌詞、歌詞の英訳という構成になっている。194ページ以降は、旋律の楽譜だけの曲がいくつかある。
巻末に30ページ以上にわたる註釈が附いている。また、巻頭に8ページにわたって本歌集の歌にゆかりの歌い手たちが紹介されている。そこはアイルランド語と英語の二ヶ国語で記述されている。中にはラウラース・オカーリー(Labhrás Ó Cadhlaigh)のような有名な歌い手の名前も見える。
アイルランド南部(マンスター)の音楽伝統に関心がある人は見つけたらすぐ入手すべき本だろう。Four Courts Press でも在庫があるようだ。