耳が、脳が覚醒する平原のアルバム
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平原 綾香、Odyssey (Dreamusic, 2004)
日本のシンガー・ソングライター、平原 綾香 のデビュー・アルバム。
平原を聞いていると覚醒してくる。どこが。耳が。脳が。偶数トラック(特に2)のミクシングの実験精神はどうだ。万人向けのレパートリーをそろえた大人しい奇数トラックとは対照的だ。
そのどちらにも平原は千変万化の声色と歌唱法で応える。逸材というほかない。ただし、偶数トラックの凄さは分解能の低いシステムではたぶん聞取れない。
歌をつくる際に母音の響きを重視して言葉を選ぶ姿勢はアイルランド語詩に通じる。音域による声色の違いはアイルランドの奇才モーィレ・ニ・ヘーラハルを想わせる 。
「等身大」の自分を出そうとしたとインタヴューで語っているが、この「等身大」はなかなかに可能性を秘めている。
参加アーティスト――
- 平原 綾香 (vo, alto sax) 他
評価―― ★★☆