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日本では「受入れ」と訳すが原語は'relocate'

English ことば etc

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 欧州委員会のユンケル委員長の難民16万人受入れ義務化案の報道を英国BBCで見た。

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 すると、見出しが 'Relocate 160,000 refugees' とある。ちょっと驚く。

 これ、日本語で「受入れ」のニュアンスで捉えているとちょっとちがう。'relocate' は平たくいえば「配置転換」。この場合は難民・移民を「新しい場所に置く」ということだ。「移動させる」といってもいい。

 「受入れ」という日本語で理解してしまうと、必要以上に責任が大きい。もちろん、「受入れ」てこれからの生活支援等に配慮することが当然はいってくる。

 しかし、人を「再配置」するというのと、人を「受入れる」というのは、相当ニュアンスがちがう。

 そう思ってじっくり欧州委員会のプレス・リリースを見ると、確かに 'relocate' の語が使われている。そこは、一点の曇りもない。提案の1番を途中まで引用する。

An emergency relocation proposal for 120,000 refugees from Greece, Hungary and Italy: following the sharp increase in illegal border crossings in the Central and Eastern Mediterranean, but also on the Western Balkans route, over the last few months, urgent action is needed. The Commission proposes to relocate 120,000 people in clear need of international protection from Italy (15,600), Greece (50,400) and Hungary (54,000). The relocation would be done according to a mandatory distribution key using objective and quantifiable criteria (40% of the size of the population, 40% of the GDP, 10% of the average number of past asylum applications, 10% of the unemployment rate).

 どうでしょう。本当に 'relocate' という語しか使っていない。かりに、あなたが、この問題を外国人と英語で議論することがあったとしたら、日本語の訳語に引きずられて 'accept' 'receive' 'grant' 'take in' などの語を使ってはあまりよくないのだろう。人情としてはわかるけれども、それは要らぬ誤解を招くことにもつながりかねない。もちろん、当面関係ない米国のメディアなどは 'take in' の語を使っていたりするのだけれど。さらに、国連などは EU が 'accept' すべしと言ったりもしているのだけど。

 英語の 'relocate' は冷たい響きのようにも感じられるが、これが世界の峻厳たる現実ということなのだろう。それに対して、やや無責任に発言する国や機関が 'take in' や 'accept' の語を使っているのかもしれない。単語ひとつで、背後の姿勢が透けて見える。

 

BBC 報道(リポータは 'take in' と言っている)

www.bbc.com

 

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