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この世のものとも思えないヨイクが宇宙的に響く


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Pekka Lehti, Outo Voima ('Strange Force') (Aito, 2000)

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 Värttinä のベース奏者 Pekka Lehti のソロ第1作。
 全8曲、彼と誰かとのデュエットになっているという、非常に意欲的な実験作。
 考えてみれば全曲ベース・ソロで通すということは現実的でないから、これが最もソロに近い形態ともいえる。
 その成果は実に美しいピュアなもの。音楽家の純粋な意図がストレートに聞き手に伝わり、すばらしい体験をすることができる。

 自分で演奏する人にはぜひとも一聴をすすめます。

 

 収録曲――

  1. Ensimmänen Päivä (First Day) with Sanna Kurki-Suonio
  2. Vainajalan Tango (Tango of the Vainajala) with Timo Alakotila
  3. Sarastus (Dawn) with Jarmo Saari
  4. Pohjantappi (North Star) with Wimme Saari
  5. Vahva (Strong) with Arto Jävelä
  6. Päivölä (Land of the Sun) with Jarmo Saari
  7. Veijo with Wimme Saari
  8. Eskolle (to Esko) with Riitta Kossi

 

 参加アーティスト――

  • Pekka Lehti (b)
  • Sanna Kurki-Suonio (vo)
  • Timo Alakotila (harmonium)
  • Jarmo Saari (g), Wimme Saari (joik)
  • Arto Jävelä (vln)
  • Riitta Kossi (acc)

 

 評価―― ★★★

*1

 

 演奏家とのデュエットのベスト・トラックは 'Sarastus'. Jarmo Saari のギターとのからみは透明感があり、スリリング。
 歌い手とのデュエットのベスト・トラックは 'Pohjantappi'. Wimme Saari のこの世のものとも思えないヨイクがこれほど宇宙的に響くトラックもめずらしい
 なお、このアルバム・タイトルの英訳は CD Baby より。
 父親の想い出に捧げられた静謐でこの上なく美しいアルバム。都会の喧騒や人間関係に倦み疲れたときに耳を傾けると落ちつく。ペッカの静かな宇宙が心のなかにひろがる。

'Pohjantappi'


Pekka Lehti & Wimme Saari - Pohjantappi - YouTube

 

*1:評価は五つ星を最高とする尺度によっており、星の数による意味は、「 良い点をさがすのが困難」 「★★ かなり良い」 「★★★ 第一級(年間ベスト・アルバム・クラス)」 「★★★★ 群を抜いてすばらしい、すごい、数年に一枚出るか出ないかのクラス」 「★★★★★ 大傑作、不朽の名盤、その分野の古典と呼ばれるに値する」です。つまり、通常、「最高」と呼ばれるようなものは三つ星です。