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語学の達人に聞いた"読み"の上達法2つ


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 世の中には本物の語学の達人が存在する。できれば、そういう人たちから直接聞いたり学んだりできれば一番いい。

 幸いにも知己を得た中に掛け値なしの達人が二人おられる。その二人から学んだ方法を、おすそわけしたい。

 なお、この方法は、たぶんあらゆる言語の語学に通用するだろう(文字を有する言語に限られるけれど)。一人目はアイルランド語の達人、二人目はフランス語・英語の達人だ。いずれも、語学の技能のうち"読み"を達人レベルに引上げるための方法を語る。

音声と意味を同期する

 最初の達人はアイルランド語の達人。この達人よりアイルランド語ができる人には出会ったことがない。

 この方の勧める方法は簡単。音読する。音読の際に意味が分かるようにする。音読のときに同時に意味が頭に入ってくるようにする。そこまで音読する。

 誰でもできそうに思う。が、実際には容易ではない。原語だけを見て、読むと同時に意味が分かるようにする。言うは易く、実現するのは難い。だけど、可能である。ひたすらその目標に向って努力すれば、できる。動かぬ証拠がその方だ。

 原語テクストを、意味が同時に分かるまで、ひたすら音読する。

 これの副次的効果としては、音声を聞いたときに、同時に意味が頭に入ってくるようになる。

 現今の応用言語学の方面では音読などは化石的方法で意味がないとされるかもしれない。けれども、音読がふくむ「音韻的認識」 phonological awareness は、馬鹿にしたものでもない。音が意味と結びつくようになるための訓練として音読をおこなうなら、それは意義がある。

まとまった文章を暗誦する

 次はフランス語・英語の達人、管啓次郎氏の勧める方法。詳しくは氏のブログMon pays natalの記事「英語の勉強?」に書かれている。

 氏の言葉を聞こう。

読むことが基本。読めれば書けるようになる、話せるようになる、その逆はなし。聞き流し学習教材や英会話学校は、時間とお金のむだ。やるべきことはひとつ。

  方法は簡単。

  1. B6か4×6の大きさのカードを準備する。
  2. これはという英語の文章を1段落(か適当な長さで)書き写す(かコピーを切り抜いて貼る)。
  3. それを毎日読む。本当に毎日読む。覚えてしまうまで読む。覚えたら、捨てる。

 これだけだ。ポイントはカードを使うことと、レベルに合った文章を用意すること。

管氏の翻訳書

 管氏は翻訳書も多い。氏の翻訳した星の王子さまは名訳。他の訳で、もう一つピンと来ない場合、この訳で読むと発見があるかもしれない(なお、西原理恵子の絵がついている角川つばさ文庫の方は多少、文章が違うので、できれば角川文庫の方をお勧めする)。

 ぼくは管氏が、日本でもっとも美しい文章を書く方だと思っている。松浦寿輝が「管啓次郎は、ここ半世紀ほどの日本文学が所有しえた最高の文章家の一人であるというのがわたしの考えだ」と述べたけれども、同じ思いの人は多いだろう。

 何より、現代の詩人のなかで、世界的にも評価の高い日本の詩人の筆頭に挙げられる方である。

 おそらく、氏の日本語は、多言語からなる世界文学を真摯に読取ってきたことで、大いに鍛えられたのだろうと想像する。その一端は著書『オムニフォン 〈世界の響き〉の詩学』(岩波書店、2005)でも窺える。

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